第五章
名前変換
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「はぁああああ!? 婚姻!? ういさんが!?」
平助の馬鹿でかい声に、誰もが耳を塞いだ。
「うるさいよ、平助。ご飯に唾が飛ぶ」
「だって、総司、おまっ、信じられるか!?」
「いや、信じられないけどさ。まさか、こんな獣みたいな子に求婚とか……」
「獣って何よ! それに別に婚姻するとは言ってないし!」
「そうだぜ、総司。ういは獣じゃねぇよ」
原田さんの何気ない言葉は嬉しい。
「じゃあしないの?」
平助の質問に私は「したくない」と答えた。
でも断る理由が思い付かない。
――私は、先日会った吉田庄太郎さんに「嫁に来てください」と求婚された。最初は、何かの冗談かと思ったが本気らしい。「一目ぼれした」とも言われた。
土方さんは、吉田さんが私に一目ぼれしたのを知っていたらい。というか、恋の相談するために石田散薬を買いに来てたというのだ。
土方さん曰く「薬が売れるなら相談に乗る」らしく、文句言ったが「仕方ねぇだろ。あいつのお前に対する情熱は相当だぞ。理由もねぇのに諦めろとは言えねぇよ」とのこと。
まぁ、土方さんは諦めろとは言わなかったが推奨もしなかったそうだ。ただ相談を聞いて、相槌打って適当に受け答えしたのだとか。
そしたら、気付くと吉田さんが私に告白していたらしい。
そんなこんなで、朝餉は私の婚姻話で持ちきりだ。
近藤さんなんか「もう年頃だし、少しだけ考えてみても良いんじゃないか」と言ってるし。
私は近藤さんに恩義がある。まだ返せてないのに婚姻なんて――。
「好きな人いるじゃ駄目なの?」
そう言って、ちらっと原田さんに目をやる総司。だからそんなんじゃないってば!
「んなことで納得される世じゃねぇだろ。それにそんな理由で諦めるような奴には見えねぇ」
「じゃあいっそ、土方さんが“俺の嫁”だって言えば良いじゃないですか」
「はぁ!?」
総司の提案に土方さんは目を見開き、声を荒げた。そしてすぐに「絶対嫌だ!」と口にした。
「酷い土方さん!」
そこまで否定しなくも!
「てめぇは黙ってろ! んなこと、俺が巻き込まれるだろうが!」
「黙ってろって! 私の問題ですけど!? っていうか巻き込んだの土方さんですよね!?」
「うるせぇ! てめぇが石田散薬ぶちまけなきゃ会わずに済んだだろうが!」
ぐっ……!
それを言われると……。
「じゃあ、どうするんですか? 土方さんがういちゃんを俺の嫁だと言って断る以外に、良い方法なんてあるんですか?」
沈黙が流れた。
皆、考えてくれているらしい。でもあれ以外に良い案なんて、思い浮かばない。
駄目だこれは、と諦めかけた時だった。平助が投げやりに呟いたのだ。
平助の馬鹿でかい声に、誰もが耳を塞いだ。
「うるさいよ、平助。ご飯に唾が飛ぶ」
「だって、総司、おまっ、信じられるか!?」
「いや、信じられないけどさ。まさか、こんな獣みたいな子に求婚とか……」
「獣って何よ! それに別に婚姻するとは言ってないし!」
「そうだぜ、総司。ういは獣じゃねぇよ」
原田さんの何気ない言葉は嬉しい。
「じゃあしないの?」
平助の質問に私は「したくない」と答えた。
でも断る理由が思い付かない。
――私は、先日会った吉田庄太郎さんに「嫁に来てください」と求婚された。最初は、何かの冗談かと思ったが本気らしい。「一目ぼれした」とも言われた。
土方さんは、吉田さんが私に一目ぼれしたのを知っていたらい。というか、恋の相談するために石田散薬を買いに来てたというのだ。
土方さん曰く「薬が売れるなら相談に乗る」らしく、文句言ったが「仕方ねぇだろ。あいつのお前に対する情熱は相当だぞ。理由もねぇのに諦めろとは言えねぇよ」とのこと。
まぁ、土方さんは諦めろとは言わなかったが推奨もしなかったそうだ。ただ相談を聞いて、相槌打って適当に受け答えしたのだとか。
そしたら、気付くと吉田さんが私に告白していたらしい。
そんなこんなで、朝餉は私の婚姻話で持ちきりだ。
近藤さんなんか「もう年頃だし、少しだけ考えてみても良いんじゃないか」と言ってるし。
私は近藤さんに恩義がある。まだ返せてないのに婚姻なんて――。
「好きな人いるじゃ駄目なの?」
そう言って、ちらっと原田さんに目をやる総司。だからそんなんじゃないってば!
「んなことで納得される世じゃねぇだろ。それにそんな理由で諦めるような奴には見えねぇ」
「じゃあいっそ、土方さんが“俺の嫁”だって言えば良いじゃないですか」
「はぁ!?」
総司の提案に土方さんは目を見開き、声を荒げた。そしてすぐに「絶対嫌だ!」と口にした。
「酷い土方さん!」
そこまで否定しなくも!
「てめぇは黙ってろ! んなこと、俺が巻き込まれるだろうが!」
「黙ってろって! 私の問題ですけど!? っていうか巻き込んだの土方さんですよね!?」
「うるせぇ! てめぇが石田散薬ぶちまけなきゃ会わずに済んだだろうが!」
ぐっ……!
それを言われると……。
「じゃあ、どうするんですか? 土方さんがういちゃんを俺の嫁だと言って断る以外に、良い方法なんてあるんですか?」
沈黙が流れた。
皆、考えてくれているらしい。でもあれ以外に良い案なんて、思い浮かばない。
駄目だこれは、と諦めかけた時だった。平助が投げやりに呟いたのだ。