第四章
名前変換
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「いいか、絶対に変な真似すんじゃねぇぞ。お前の行動で道場が潰れることだってあるんだからな」
梅雨時だと言うのに、汗が出るくらいに晴れている空の下、土方さんがぐいっと近い付いて私に念を押す。
今日は、先日の石田散薬ぶちまけ事件の罰として土方さんと石田散薬を売り込みに行く日だ。
「分かってますって。信用ないですね!」
「総司と言い、お前も似たようなもんだからな。念を押しとかねぇと……」
「えっ、昨日、総司何かやらかしたんですか?」
背を向けて歩き出す土方さんに問う。
「んなこと、させるかよ。そんなことよりとっとと行くぞ」
何だ、やらかしてないのか。
つまんね。
「おい、くだらねぇこと考えてるんじゃねぇぞ」
「え!? な、何で――」
「何年てめぇと一緒に過ごしてると思ってんだ」
流石である。
「とにかく、これから行く先方は石田散薬を買ってくれるって約束だ。貴重な客の前で変な真似すんじゃねぇぞ」
「はーい……」
土方さんと長い小道を歩いた。
――……‥‥
「お待ちしていました。さ、おあがりくださいな」
そこそこ裕福な家だと思う。田舎にしては、家の材質が高級な気がした。
そこの奥さんであろうか。少し小太りの女性が、私たちを客間に招き入れる。
畳が敷き詰められた広い客間はとても綺麗だ。
「少々お待ちくださいね」
女性はそう言って部屋を出て行った。客間に残されたのは、私と土方さんだけ。
縁側越しに見える鯉のぼりが風に靡いている。
「何だか、綺麗な家ですね」
「あぁ。ここらじゃそこそこ金持ってる家らしい」
「……何かその言い方、悪徳商人みたいじゃないですか」
人聞きの悪いこと言うんじゃねぇ、と呟いた土方さんに言葉を返す前に再び客間の障子が開いた。
「お待たせしました」
現れたのは、若い男だった。
梅雨時だと言うのに、汗が出るくらいに晴れている空の下、土方さんがぐいっと近い付いて私に念を押す。
今日は、先日の石田散薬ぶちまけ事件の罰として土方さんと石田散薬を売り込みに行く日だ。
「分かってますって。信用ないですね!」
「総司と言い、お前も似たようなもんだからな。念を押しとかねぇと……」
「えっ、昨日、総司何かやらかしたんですか?」
背を向けて歩き出す土方さんに問う。
「んなこと、させるかよ。そんなことよりとっとと行くぞ」
何だ、やらかしてないのか。
つまんね。
「おい、くだらねぇこと考えてるんじゃねぇぞ」
「え!? な、何で――」
「何年てめぇと一緒に過ごしてると思ってんだ」
流石である。
「とにかく、これから行く先方は石田散薬を買ってくれるって約束だ。貴重な客の前で変な真似すんじゃねぇぞ」
「はーい……」
土方さんと長い小道を歩いた。
――……‥‥
「お待ちしていました。さ、おあがりくださいな」
そこそこ裕福な家だと思う。田舎にしては、家の材質が高級な気がした。
そこの奥さんであろうか。少し小太りの女性が、私たちを客間に招き入れる。
畳が敷き詰められた広い客間はとても綺麗だ。
「少々お待ちくださいね」
女性はそう言って部屋を出て行った。客間に残されたのは、私と土方さんだけ。
縁側越しに見える鯉のぼりが風に靡いている。
「何だか、綺麗な家ですね」
「あぁ。ここらじゃそこそこ金持ってる家らしい」
「……何かその言い方、悪徳商人みたいじゃないですか」
人聞きの悪いこと言うんじゃねぇ、と呟いた土方さんに言葉を返す前に再び客間の障子が開いた。
「お待たせしました」
現れたのは、若い男だった。