第三章
名前変換
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「かっこいい……」
思わず呟いて、慌てて周りを見渡す。幸い、誰も聞いておらず肩を撫で下ろした。
原田さんが来て、二週間ほど経った。原田さんは結構慣れてきたみたいで、まるでずっと前からいるように溶け込んでいた。特に平助とは馬が合うらしく、いち早く仲良くなっていた。
で、今その原田さんが山南さんと稽古している。彼は刀よりも槍派らしく、槍のとある流派で免許皆伝を取ったらしい。それを聞いて、近藤さんは木製の槍を調達してきた。
今まで、刀と刀を想定して稽古してきた私たちにとって槍術の導入は、より一層強くなるための良い材料になった。
勿論、原田さん自身も刀相手を想定した稽古で強くなれる。(といっても、刀も使うらしくたまに木刀で稽古している)
「流石、原田君ですね。良い稽古になります」
「それは俺の方もだ」
「でも、私じゃ役不足なんじゃありませんか? 沖田君やういの方がまだ良いでしょう」
ふと山南さんが視線を向けてくる。どうしたんだろ?(二人の会話がこの距離じゃ聞こえない)
「そんなことねぇよ。確かに総司は強ぇが……山南さんも負けず劣らず、だろ?」
「そうでしょうか?」
「あぁ。それに……」
今度は原田さんと目が合った。
あのかっこいい顔に見つめられると、どうも緊張してやれない。それは二週間経った今でも変わらないのだ。
「俺は女と戦うのはどうも、なぁ」
「ふふ、原田君はういを甘く見ているようですね。彼女は、ひょっとしたら沖田君より強いかもしれませんよ」
「総司より?」
俯いている私には、原田さんが見つめていることに気付かなかった。
――……‥‥
「ねぇ、ういちゃん。何で左之さんに近付かないの?」
「えっ!?」
総司と石田散薬(土方さんの実家で作ってる薬)を舐めて不味いねって言い合っている時、ふと原田さんの話題を出された。
突然のことに石田散薬を土方さんの部屋にぶちまけてしまう。(土方さんは留守)
「あーあ、土方さんに怒られるよ」
「そ、それは総司が……」
「はい、すぐそうやって人のせいにしない! で、何でなの?」
話を戻され、私は俯いてしまう。
「……べ、別に避けてるわけじゃない、し」
「へぇ、でも左之さん嘆いてたよ? ういちゃんに避けられてるって」
「えっ、嘘!?」
思わず顔を上げると、総司がプルプル震えていた。
これは――
「ちょ、嘘吐いたでしょ!!」
「ごめんごめん。でも、その反応……もしかして、左之さんに惚れた?」
「!? ち、違うし! そんなんじゃ――」
慌てて否定する。
別に、そんなんじゃない。ただ、年上のかっこいい男の人に見つめられるのが恥ずかしくて。
「でも土方さんは平気だよね。あれでも、顔はかなり良いと思うけど。顔はね」
「なっ、心読まないでよ!」
「いや、思いっきり声に出てたから」
ふ、不覚。
思わず呟いて、慌てて周りを見渡す。幸い、誰も聞いておらず肩を撫で下ろした。
原田さんが来て、二週間ほど経った。原田さんは結構慣れてきたみたいで、まるでずっと前からいるように溶け込んでいた。特に平助とは馬が合うらしく、いち早く仲良くなっていた。
で、今その原田さんが山南さんと稽古している。彼は刀よりも槍派らしく、槍のとある流派で免許皆伝を取ったらしい。それを聞いて、近藤さんは木製の槍を調達してきた。
今まで、刀と刀を想定して稽古してきた私たちにとって槍術の導入は、より一層強くなるための良い材料になった。
勿論、原田さん自身も刀相手を想定した稽古で強くなれる。(といっても、刀も使うらしくたまに木刀で稽古している)
「流石、原田君ですね。良い稽古になります」
「それは俺の方もだ」
「でも、私じゃ役不足なんじゃありませんか? 沖田君やういの方がまだ良いでしょう」
ふと山南さんが視線を向けてくる。どうしたんだろ?(二人の会話がこの距離じゃ聞こえない)
「そんなことねぇよ。確かに総司は強ぇが……山南さんも負けず劣らず、だろ?」
「そうでしょうか?」
「あぁ。それに……」
今度は原田さんと目が合った。
あのかっこいい顔に見つめられると、どうも緊張してやれない。それは二週間経った今でも変わらないのだ。
「俺は女と戦うのはどうも、なぁ」
「ふふ、原田君はういを甘く見ているようですね。彼女は、ひょっとしたら沖田君より強いかもしれませんよ」
「総司より?」
俯いている私には、原田さんが見つめていることに気付かなかった。
――……‥‥
「ねぇ、ういちゃん。何で左之さんに近付かないの?」
「えっ!?」
総司と石田散薬(土方さんの実家で作ってる薬)を舐めて不味いねって言い合っている時、ふと原田さんの話題を出された。
突然のことに石田散薬を土方さんの部屋にぶちまけてしまう。(土方さんは留守)
「あーあ、土方さんに怒られるよ」
「そ、それは総司が……」
「はい、すぐそうやって人のせいにしない! で、何でなの?」
話を戻され、私は俯いてしまう。
「……べ、別に避けてるわけじゃない、し」
「へぇ、でも左之さん嘆いてたよ? ういちゃんに避けられてるって」
「えっ、嘘!?」
思わず顔を上げると、総司がプルプル震えていた。
これは――
「ちょ、嘘吐いたでしょ!!」
「ごめんごめん。でも、その反応……もしかして、左之さんに惚れた?」
「!? ち、違うし! そんなんじゃ――」
慌てて否定する。
別に、そんなんじゃない。ただ、年上のかっこいい男の人に見つめられるのが恥ずかしくて。
「でも土方さんは平気だよね。あれでも、顔はかなり良いと思うけど。顔はね」
「なっ、心読まないでよ!」
「いや、思いっきり声に出てたから」
ふ、不覚。