第十五章
名前変換
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「ういちゃん、丁度良いところに来たね」
「え?」
庭掃除を終えて居間に行くと、総司がこちらを見て手招きした。
他にも土方さんと平助と一君もそこにはいて、円になって座っていた。
「座って」
総司と一君がちょっとずつ横に避けたので、私はその間に座った。
「何、どうかしたの?」
待っていたと言わんばかりの雰囲気に少し戸惑ってしまう。
「本人の意見を聞いてみようと思って」
「意見?」
「最近、左之さんが変じゃない? って話なんだけど、ういちゃんは何か思う所ない?」
急に原田さんの名前が出てきて、正直意味が分からなかった。
本人の意見、って言ってたからだ。
「……え?」
「だから、左之さんの態度とか何かおかしくない? って聞いてるんだけど」
「態度って、え? 何で?」
「もしかして分かってない?」
総司の信じられないという表情にちょっとイラッとした。馬鹿にされてる気分になる。
すると、土方さんが口を開く。
「ちょっと原田の態度について話になってな。主に、お前に対する態度が変わったっていうことなんだが……」
あぁ、それで“本人の意見”か。
土方さんの説明で漸く理解した私は「あー……」と言葉を濁した。
というのも、やっぱり最近ちょっと思うことが連発していたからだ。
「なんだ、ちゃんと分かってるんじゃない。それで、ういちゃんとしてはどう思ってるの?」
「どうって……」
私はある出来事を思い出した。
それは数日前の朝餉の時。夜番の後、すぐに眠れなかった私は翌朝少し寝不足気味だった。
朝、うとうとしながらご飯を食べていると不意に原田さんが
「おいおい、口に米ついてるぜ」
と教えてくれたのだ。
当然「え?」となって慌てて唇の右側を触るが、私の手に米粒はつかなかった。
どうやら米がついてたのは反対側だったらしく、それを指摘されたのだが頭が働いてなくてちょっとボーっとしてしまった。
するとどういうわけか、原田さんが私の米粒を取ってくれたのだ。
それだけでも驚きの出来事なのに、何を思ったのだろうか。原田さんはその米粒を食べたのである。
その行動に私は、驚き過ぎて完全に目が覚めてしまった。
思わずジッと原田さんを見つめてしまったのだが、当の本人は
「どうした?」
と、まるでそれが普通かのような態度を見せた。
「い、今、米……」
「あ? あぁ、もしかして食いたかったのか? 悪い、食べちまった」
「そ、そういうことじゃ――」
不思議そうに首を傾げる原田さんに、私は何も言えなかったのである。
――という出来事を思い出して、まぁ正直
「恥ずかしい」
という言葉しかない。
すると、平助がまさに今私が思い出した米粒の話を持ち出して
「あの時は吃驚したよ。左之さんがあんな行動に出るなんて初めてじゃね?」
と感想を述べた。
「僕も今まで見たことなかったから、ちょっと驚いちゃったな。ういちゃん、左之さんと出来てるの?」
「は!?」
何を言っているんだ、総司は!
そんな関係じゃないってことは知ってるでしょうに!
「わざとあぁいうことを原田がしたと思ってたが、そんな雰囲気はなかったからな。うい、正直に話せ」
「いや、土方さんも何言ってるんですか? ないですって!」
「本当か? 昨日だって、井戸に皆でいる時だって――」
「え?」
庭掃除を終えて居間に行くと、総司がこちらを見て手招きした。
他にも土方さんと平助と一君もそこにはいて、円になって座っていた。
「座って」
総司と一君がちょっとずつ横に避けたので、私はその間に座った。
「何、どうかしたの?」
待っていたと言わんばかりの雰囲気に少し戸惑ってしまう。
「本人の意見を聞いてみようと思って」
「意見?」
「最近、左之さんが変じゃない? って話なんだけど、ういちゃんは何か思う所ない?」
急に原田さんの名前が出てきて、正直意味が分からなかった。
本人の意見、って言ってたからだ。
「……え?」
「だから、左之さんの態度とか何かおかしくない? って聞いてるんだけど」
「態度って、え? 何で?」
「もしかして分かってない?」
総司の信じられないという表情にちょっとイラッとした。馬鹿にされてる気分になる。
すると、土方さんが口を開く。
「ちょっと原田の態度について話になってな。主に、お前に対する態度が変わったっていうことなんだが……」
あぁ、それで“本人の意見”か。
土方さんの説明で漸く理解した私は「あー……」と言葉を濁した。
というのも、やっぱり最近ちょっと思うことが連発していたからだ。
「なんだ、ちゃんと分かってるんじゃない。それで、ういちゃんとしてはどう思ってるの?」
「どうって……」
私はある出来事を思い出した。
それは数日前の朝餉の時。夜番の後、すぐに眠れなかった私は翌朝少し寝不足気味だった。
朝、うとうとしながらご飯を食べていると不意に原田さんが
「おいおい、口に米ついてるぜ」
と教えてくれたのだ。
当然「え?」となって慌てて唇の右側を触るが、私の手に米粒はつかなかった。
どうやら米がついてたのは反対側だったらしく、それを指摘されたのだが頭が働いてなくてちょっとボーっとしてしまった。
するとどういうわけか、原田さんが私の米粒を取ってくれたのだ。
それだけでも驚きの出来事なのに、何を思ったのだろうか。原田さんはその米粒を食べたのである。
その行動に私は、驚き過ぎて完全に目が覚めてしまった。
思わずジッと原田さんを見つめてしまったのだが、当の本人は
「どうした?」
と、まるでそれが普通かのような態度を見せた。
「い、今、米……」
「あ? あぁ、もしかして食いたかったのか? 悪い、食べちまった」
「そ、そういうことじゃ――」
不思議そうに首を傾げる原田さんに、私は何も言えなかったのである。
――という出来事を思い出して、まぁ正直
「恥ずかしい」
という言葉しかない。
すると、平助がまさに今私が思い出した米粒の話を持ち出して
「あの時は吃驚したよ。左之さんがあんな行動に出るなんて初めてじゃね?」
と感想を述べた。
「僕も今まで見たことなかったから、ちょっと驚いちゃったな。ういちゃん、左之さんと出来てるの?」
「は!?」
何を言っているんだ、総司は!
そんな関係じゃないってことは知ってるでしょうに!
「わざとあぁいうことを原田がしたと思ってたが、そんな雰囲気はなかったからな。うい、正直に話せ」
「いや、土方さんも何言ってるんですか? ないですって!」
「本当か? 昨日だって、井戸に皆でいる時だって――」