第九章
名前変換
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「あれ?」
外から帰ってくると、平助がある一点を見つめて首を傾げた。
どうしたのかと、視線を向けるとそこには子供と遊ぶ楽しそうな総司の姿。
なぜ試衛館に子供が?
新たな門弟希望者かと思っていると、総司がこちらに気付いたようだ。
「ういちゃん、平助。おかえり」
自然と足がそちらへ向いた。
「買い物行ってたんでしょ。で? お土産は?」
「いやいや、あるわけねーだろ。今日の晩飯しか買ってねぇし」
「気が利かないよねー。芳次郎、ごめんね。おやつないって」
総司が足元にいる子供と目線を合わせてその頭を撫でた。
平助が何やら怒っているが私はその子を凝視する。というのも芳次郎という名前は――
不意にその子が振り向いた。
私を見上げて来るその顔は、総司と似た顔立ちをしていた。
「やっぱり、芳次郎君だ」
私が「こんにちは」と言葉をかけると、にっこりと笑って「こんにちは」と返してくる。
すると隣にいた平助が
「ういさん、この子知ってんの?」
と尋ねてきた。
「そっか、最後に来たの平助が来る前だもんね。この子は総司の甥っ子の芳次郎君だよ」
「甥……そうなのか?」
「そうだよ。僕の姉さんの子。芳次郎、こっちの小さいのは平助っていうんだよ」
小さいのは余計だ、と叫ぶが芳次郎君は平助に見向きもしないで私をじーっと見つめていた。
「……何? どうしたの?」
どことなく不思議そうな表情を見せる芳次郎君。すると、総司がもしかしてと口を開く。
「ういちゃんのこと分かってないんじゃないの?」
「え?」
「だって前に来たの一年と少し前だったじゃない。……芳次郎、この一見女の子だけど実は暴力的で獣のような人はね――」
「総司、ちょっと面貸しなさい」
総司の耳を掴んで引っ張る。痛いと言っているが知ったことではない。
引きずるように連れて行こうとすると、平助が慌てて止めに入った。
「ういさん落ち着けって! 総司もそれじゃあ余計分かんないから!」
「仕方ない、芳次郎君に免じて今回は許してあげよう」
「本当のことを言ったまでだよ。……はぁ、分かったからそんなに睨まないで」
総司は再び芳次郎君の前でしゃがむと、私のことを話す。
最初きょとんとしていたが、総司が更に「前に剣術ごっこに付き合ってくれたお姉さんだよ」と言うとその表情を明るくさせた。
「ういちゃん! 思い出した!」
抱き着いてくる芳次郎君は純粋な可愛い子供の表情だった。
「綺麗な総司が目の前にいるようだ……」
「ういちゃん何か言った?」
「……ナニモ?」
外から帰ってくると、平助がある一点を見つめて首を傾げた。
どうしたのかと、視線を向けるとそこには子供と遊ぶ楽しそうな総司の姿。
なぜ試衛館に子供が?
新たな門弟希望者かと思っていると、総司がこちらに気付いたようだ。
「ういちゃん、平助。おかえり」
自然と足がそちらへ向いた。
「買い物行ってたんでしょ。で? お土産は?」
「いやいや、あるわけねーだろ。今日の晩飯しか買ってねぇし」
「気が利かないよねー。芳次郎、ごめんね。おやつないって」
総司が足元にいる子供と目線を合わせてその頭を撫でた。
平助が何やら怒っているが私はその子を凝視する。というのも芳次郎という名前は――
不意にその子が振り向いた。
私を見上げて来るその顔は、総司と似た顔立ちをしていた。
「やっぱり、芳次郎君だ」
私が「こんにちは」と言葉をかけると、にっこりと笑って「こんにちは」と返してくる。
すると隣にいた平助が
「ういさん、この子知ってんの?」
と尋ねてきた。
「そっか、最後に来たの平助が来る前だもんね。この子は総司の甥っ子の芳次郎君だよ」
「甥……そうなのか?」
「そうだよ。僕の姉さんの子。芳次郎、こっちの小さいのは平助っていうんだよ」
小さいのは余計だ、と叫ぶが芳次郎君は平助に見向きもしないで私をじーっと見つめていた。
「……何? どうしたの?」
どことなく不思議そうな表情を見せる芳次郎君。すると、総司がもしかしてと口を開く。
「ういちゃんのこと分かってないんじゃないの?」
「え?」
「だって前に来たの一年と少し前だったじゃない。……芳次郎、この一見女の子だけど実は暴力的で獣のような人はね――」
「総司、ちょっと面貸しなさい」
総司の耳を掴んで引っ張る。痛いと言っているが知ったことではない。
引きずるように連れて行こうとすると、平助が慌てて止めに入った。
「ういさん落ち着けって! 総司もそれじゃあ余計分かんないから!」
「仕方ない、芳次郎君に免じて今回は許してあげよう」
「本当のことを言ったまでだよ。……はぁ、分かったからそんなに睨まないで」
総司は再び芳次郎君の前でしゃがむと、私のことを話す。
最初きょとんとしていたが、総司が更に「前に剣術ごっこに付き合ってくれたお姉さんだよ」と言うとその表情を明るくさせた。
「ういちゃん! 思い出した!」
抱き着いてくる芳次郎君は純粋な可愛い子供の表情だった。
「綺麗な総司が目の前にいるようだ……」
「ういちゃん何か言った?」
「……ナニモ?」