三ノ五.日常
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
自室で平助と盃を交わす。
日本酒の独特な風味が喉にくる。これがまた堪らない。
「ちょ、しんぱっつぁん。最初からそんなんだと、早々に酔い潰れちまうんじゃねぇか?」
「大丈夫だって! 俺はそんなに柔じゃねぇよ!」
「そう言って、いっつもすぐに酔い潰れるくせに……」
俺と違ってゆっくり呑む平助は、どこか乗り気じゃないような気がした。
「平助、何かあったのか?」
「え、何って、何が」
「いや、いつもはもっと元気じゃねぇか」
こういう時、平助は誤魔化すことがある。だがしかし、今回は違った。
「あーいや、大したことじゃないんだけどさ」
「どうした?」
「陽菜がさ、俺にはどうしても志乃に見えるんだけど」
気まずそうに目を逸らす平助に、俺は一瞬固まった。
「……」
「あ、いやそりゃ分かってるよ! 違うって。けど、やっぱり俺には志乃にしか見えない。本当に他人なのかな……」
「いや、けどよ志乃ちゃんはもういねぇんだぜ? 左之が確かに最期を看取ったっていうし、やっぱ別人だろ。」
確かにそっくりだが、やっぱ別人だと今では思う。
「うん、そうなんだけどさ……やっぱ納得いかないっていうか」
平助の頭は今、全力で回転中だろう。考えても考えても出ない答えに、平助はついに「あーっ」と叫んで、盃に入った酒を一気に呑んだ。
「わかんねー!」
「俺には注意しといて、自分は一気に呑むのかよー」
「だってさー……」
酒を注ぎながら、平助が何かを言おうとした時だった。誰かがこちらを覗く気配。
そちらに視線をやると――。
日本酒の独特な風味が喉にくる。これがまた堪らない。
「ちょ、しんぱっつぁん。最初からそんなんだと、早々に酔い潰れちまうんじゃねぇか?」
「大丈夫だって! 俺はそんなに柔じゃねぇよ!」
「そう言って、いっつもすぐに酔い潰れるくせに……」
俺と違ってゆっくり呑む平助は、どこか乗り気じゃないような気がした。
「平助、何かあったのか?」
「え、何って、何が」
「いや、いつもはもっと元気じゃねぇか」
こういう時、平助は誤魔化すことがある。だがしかし、今回は違った。
「あーいや、大したことじゃないんだけどさ」
「どうした?」
「陽菜がさ、俺にはどうしても志乃に見えるんだけど」
気まずそうに目を逸らす平助に、俺は一瞬固まった。
「……」
「あ、いやそりゃ分かってるよ! 違うって。けど、やっぱり俺には志乃にしか見えない。本当に他人なのかな……」
「いや、けどよ志乃ちゃんはもういねぇんだぜ? 左之が確かに最期を看取ったっていうし、やっぱ別人だろ。」
確かにそっくりだが、やっぱ別人だと今では思う。
「うん、そうなんだけどさ……やっぱ納得いかないっていうか」
平助の頭は今、全力で回転中だろう。考えても考えても出ない答えに、平助はついに「あーっ」と叫んで、盃に入った酒を一気に呑んだ。
「わかんねー!」
「俺には注意しといて、自分は一気に呑むのかよー」
「だってさー……」
酒を注ぎながら、平助が何かを言おうとした時だった。誰かがこちらを覗く気配。
そちらに視線をやると――。