五.取り引き
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俺達が屯所を開けている隙に、茂が攫われちまった。話によると、屯所に攻め込んできたやつらは多勢。気付けば、茂が敵の一人に担がれていたらしい。
帰ってきた俺はその事実を知り、すぐに山崎に探らせた。屯所に残ってた山南さんらは原田に謝っていたが、守れなかったのは俺の責任でもある。
まさか、ガキ一人を連れ去るなんて思っちゃいねぇ。人質ってとこだろうが、そうする理由は一つだ。屯所を襲撃した浪士や、俺達が捕まえた浪士何人かは未だ牢の中。
やつらの狙いは新選組を潰すこと。分散した俺達を多勢で襲う。例え掴まって、人数が大幅に減少しても茂を連れ去れば良いだけの話。人質交換ってやつだ。――となると、やつらは茂の存在を知っていて、それが幹部の子と知っていたに違がいねぇ。それか、俺達が分散してることを良いことに「これならやれる」と思って襲撃したが、たまたま茂を見つけて使えると思ったか。
どっちにしろ、狙いは人質交換だ。
そう読んでいたが案の定、俺の推測は翌朝に届いた文で当たっていることを教えてくれた。
「日時は、今日の晩。装板屋という店だ」
「店、か……」
新八が悩むのも無理ねぇ。店ということは、関係ねぇやつらにも迷惑をかけることがあるからだ。もっとも、装板屋は夜は営業してねぇから店主とかだろうが。
「長州のやつら、店主を脅してやろうってのか?」
「いや、それはない」
意外にも、新八の問いに答えたのは近藤さんだった。
帰ってきた俺はその事実を知り、すぐに山崎に探らせた。屯所に残ってた山南さんらは原田に謝っていたが、守れなかったのは俺の責任でもある。
まさか、ガキ一人を連れ去るなんて思っちゃいねぇ。人質ってとこだろうが、そうする理由は一つだ。屯所を襲撃した浪士や、俺達が捕まえた浪士何人かは未だ牢の中。
やつらの狙いは新選組を潰すこと。分散した俺達を多勢で襲う。例え掴まって、人数が大幅に減少しても茂を連れ去れば良いだけの話。人質交換ってやつだ。――となると、やつらは茂の存在を知っていて、それが幹部の子と知っていたに違がいねぇ。それか、俺達が分散してることを良いことに「これならやれる」と思って襲撃したが、たまたま茂を見つけて使えると思ったか。
どっちにしろ、狙いは人質交換だ。
そう読んでいたが案の定、俺の推測は翌朝に届いた文で当たっていることを教えてくれた。
「日時は、今日の晩。装板屋という店だ」
「店、か……」
新八が悩むのも無理ねぇ。店ということは、関係ねぇやつらにも迷惑をかけることがあるからだ。もっとも、装板屋は夜は営業してねぇから店主とかだろうが。
「長州のやつら、店主を脅してやろうってのか?」
「いや、それはない」
意外にも、新八の問いに答えたのは近藤さんだった。