五.葛飾岱斎先生
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新選組が京に帰ってきて、翌日。原田は巡察を終え、隊士に羽織りを渡した。持って帰って貰うためである。
新選組は京で恐れられている。羽織りを着たままだと、加子の折角の作品を載せてもらえないかもと思ったからである。
こちらの事情で、約束を破るわけにはいかない。
原田は、加子が言っていた葛飾岱斎の家にやってきた。
屋敷の下女が、原田の対応をし中に通した。
「先生、お客様です」
「入ってもらいなさい」
優しそうな声が聞こえ、原田は岱斎の部屋に入った。予想通りではなく、優しそうな顔立ちにきっちりとした着物。
岱斎は、原田に座るように促した。
「はじめまして。私が、葛飾岱斎でございます」
「原田左之助だ」
「原田さん。まずは、お茶を……」
下女に目配せをし、岱斎は原田の前に座った。
「ようこそおでくださいました。それで、私に用があると言うことですが……」
早速の本題。原田は、持っていた加子の作品が入った封を取り出した。
「加子……雪子から、作品を預かってきたんだ」
「雪子……彼女のですか!」
岱斎は、笑顔を零した。
そしてそれを受け取り、中を確認する。
「確かに。ほぅ……これはなかなか。しかし、よく受け取れましたな。彼女は安芸の人間。貴方は京のお住まいでしょう?」
「あぁ。ちょっと用事があってな。……たまたま出会って、話を聞いたまでだ」
「そうですか。まぁ、若い女流作家ですからな。親の目もありましょう」
岱斎は、加子の作品をまじまじと見つめた。
新選組は京で恐れられている。羽織りを着たままだと、加子の折角の作品を載せてもらえないかもと思ったからである。
こちらの事情で、約束を破るわけにはいかない。
原田は、加子が言っていた葛飾岱斎の家にやってきた。
屋敷の下女が、原田の対応をし中に通した。
「先生、お客様です」
「入ってもらいなさい」
優しそうな声が聞こえ、原田は岱斎の部屋に入った。予想通りではなく、優しそうな顔立ちにきっちりとした着物。
岱斎は、原田に座るように促した。
「はじめまして。私が、葛飾岱斎でございます」
「原田左之助だ」
「原田さん。まずは、お茶を……」
下女に目配せをし、岱斎は原田の前に座った。
「ようこそおでくださいました。それで、私に用があると言うことですが……」
早速の本題。原田は、持っていた加子の作品が入った封を取り出した。
「加子……雪子から、作品を預かってきたんだ」
「雪子……彼女のですか!」
岱斎は、笑顔を零した。
そしてそれを受け取り、中を確認する。
「確かに。ほぅ……これはなかなか。しかし、よく受け取れましたな。彼女は安芸の人間。貴方は京のお住まいでしょう?」
「あぁ。ちょっと用事があってな。……たまたま出会って、話を聞いたまでだ」
「そうですか。まぁ、若い女流作家ですからな。親の目もありましょう」
岱斎は、加子の作品をまじまじと見つめた。