四.転機~託した想い~
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新選組は、散策も兼ねて船着き場に向かっていた。
屯所組への土産に紅葉饅頭を買ったり、藤堂が鹿に背後から攻撃され吹っ飛んだり、鹿が千鶴の袴を食べようとしたり――沖田が鹿にキレて抜刀をしようとするのを、近藤が止めたり。
とにかく楽しみながら、船着き場へ足を運ぶ。
しかし、原田は気掛かりで仕方なかった。約束の時間になっても、加子は現れず、帰る時間になってしまった。
仕方なく、原田は旅館を発ったのだがどうしても気になってしまうのだった。
そして、いてもたってもいられず原田は土方に声をかけた。
「土方さん、まだ時間あるよな?」
皆が立ち止まり、最後尾にいた原田に振り向く。
土方の眉間には、皺が寄っている。
「少しだけあるが、どうした?」
「忘れ物した。先行っててくれ。絶対、追いつくから」
「……しゃあねぇ。急いで行ってこい」
その言葉に、原田は返事をすると来た道を急いで引き返した。
「どうしたんだろうね、左之さん」
「左之が忘れ物をするなど、滅多にない」
「原田だって人間だ。忘れ物くらいするだろ。それより、俺達は行くぞ」
沖田と斎藤の声に土方は冷静に応え、再び歩きはじめた。
屯所組への土産に紅葉饅頭を買ったり、藤堂が鹿に背後から攻撃され吹っ飛んだり、鹿が千鶴の袴を食べようとしたり――沖田が鹿にキレて抜刀をしようとするのを、近藤が止めたり。
とにかく楽しみながら、船着き場へ足を運ぶ。
しかし、原田は気掛かりで仕方なかった。約束の時間になっても、加子は現れず、帰る時間になってしまった。
仕方なく、原田は旅館を発ったのだがどうしても気になってしまうのだった。
そして、いてもたってもいられず原田は土方に声をかけた。
「土方さん、まだ時間あるよな?」
皆が立ち止まり、最後尾にいた原田に振り向く。
土方の眉間には、皺が寄っている。
「少しだけあるが、どうした?」
「忘れ物した。先行っててくれ。絶対、追いつくから」
「……しゃあねぇ。急いで行ってこい」
その言葉に、原田は返事をすると来た道を急いで引き返した。
「どうしたんだろうね、左之さん」
「左之が忘れ物をするなど、滅多にない」
「原田だって人間だ。忘れ物くらいするだろ。それより、俺達は行くぞ」
沖田と斎藤の声に土方は冷静に応え、再び歩きはじめた。