十四.炎のように熱く
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京の夜を終始無言で歩く原田と加子。
原田は自分の後を着いてくる加子を、ちらっと見遣る。
「っ……」
心臓が跳ねあがった。月明かりがそうさせるのか、加子が随分と可愛く見えたのだ。
直ぐに視線を前に戻したが、原田の中に「もっと見ていたい」という思いが湧く。
しかし、流石にちらちら見ていれば加子も気付かないわけがない。
「原田さん?」
首を傾げて原田を見つめる加子に、思わず見とれてしまう。
自然に歩みを止め、何も言わない原田に加子の方はどう反応していいか分からなかった。
「あの……?」
「悪い」
「え?」
やっと言葉を交わしたかと思うと、原田は突然加子の腕を掴み引っ張った。
暗い物陰に連れ込まれ、加子は建物の壁に押しつけられた。
「原田さ――っ!?」
何をされるのか不安に感じた瞬間、加子の唇は奪われた。
しかも、掠めるとか触れるとかいう軽い物ではなく痛いくらいに壁に背中が密着する程、深いものだった。
これが、加子にとって初めての接吻。だが、嫌ではなかった。むしろ逆。しかし、どうやって応えたら良いのか――ただ、固まっているしかなかった。
「っ、はぁ……」
やっと解放された唇に、原田の微かな息がかかった。
原田を見上げるが、月明かりが入ってこない陰でどんな表情をしているのか見えない。
視線を漂わせる加子。そして右頬に原田の指が触れ、くすぐったさに軽く身を引いた。
原田は自分の後を着いてくる加子を、ちらっと見遣る。
「っ……」
心臓が跳ねあがった。月明かりがそうさせるのか、加子が随分と可愛く見えたのだ。
直ぐに視線を前に戻したが、原田の中に「もっと見ていたい」という思いが湧く。
しかし、流石にちらちら見ていれば加子も気付かないわけがない。
「原田さん?」
首を傾げて原田を見つめる加子に、思わず見とれてしまう。
自然に歩みを止め、何も言わない原田に加子の方はどう反応していいか分からなかった。
「あの……?」
「悪い」
「え?」
やっと言葉を交わしたかと思うと、原田は突然加子の腕を掴み引っ張った。
暗い物陰に連れ込まれ、加子は建物の壁に押しつけられた。
「原田さ――っ!?」
何をされるのか不安に感じた瞬間、加子の唇は奪われた。
しかも、掠めるとか触れるとかいう軽い物ではなく痛いくらいに壁に背中が密着する程、深いものだった。
これが、加子にとって初めての接吻。だが、嫌ではなかった。むしろ逆。しかし、どうやって応えたら良いのか――ただ、固まっているしかなかった。
「っ、はぁ……」
やっと解放された唇に、原田の微かな息がかかった。
原田を見上げるが、月明かりが入ってこない陰でどんな表情をしているのか見えない。
視線を漂わせる加子。そして右頬に原田の指が触れ、くすぐったさに軽く身を引いた。