5.5 修業
名前変換
この小説の夢小説設定主人公はイタチとサスケの姉という設定。
その他、名前変換可能のオリキャラ登場します。
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紅葉が散り始め、寒い風が吹く。世間の人は厚着をして外を歩く中、龍厦は一人額に汗を滲ませ、右手から青白く鋭いチャクラの光を放っていた。
「もうほぼ完璧だ」
その様子を見ていたカカシは笑顔を見せた。
雷属性を学んで何か月経ったか――。イビキとの修行と暗部の任務も並行している龍厦は、疲労でボロボロだった。
右手の光を収め、その場に座り込む。
「よく頑張ったな」
「鬼の所業です。もう無理……」
「お前からそんな言葉が出るなんてな(――だが、こいつの連日を考えれば仕方ないことか。よく耐えたな)」
カカシは目を細めた。
「もうお前に教えることはない」
「……」
「俺の雷切を覚えるのに、八か月程……時間かかったけどその分、しっかり叩き込んだつもりだ」
毎日したわけじゃないが、細かいところまでみっちり出来るまで繰り返し行われた修行。
より強力な技になるよう、チャクラ量を増やす訓練として走り込みや断崖絶壁を登るだけでなく、何時間もカカシと戦い続けることもした。
「カカシ先輩」
「ん?」
「何で私にあそこまできっちり教えたんですか?」
カカシは最初に言った。この修行は火影命令だからと。
しかし、命令とはいえしっかりみっちり教えることはないのではないのか? 細かい雷の動きまで教えられたことを思い出す。
「火影命令とは言え、ここまで……」
「それも火影様の命だからだ」
「え?」
カカシは空を見上げる。
青空に広がる秋雲が流れていく。
「大体お前の考えていることは分かる。俺だけじゃなく、イビキにも教えられている。それがどちらも火影命令ということに引っ掛かっているんじゃないのか?」
「まぁ……」
「俺もよく知らないが、火影様曰くある人の頼みらしい」
頼み?
首を傾げる龍厦をカカシは見つめた。
「それが誰だか俺も知らない。ただ、どうしても聞かなければいけない相手と言ってた」
「聞かなければいけない相手……」
自分を鍛えるように三代目火影に提案した謎の人物。それが誰なのか、皆目見当もつかなかった。
「ま、とにかく俺はお前にちゃんと教えたからな。あとは自分で、雷属性の技を開発するといい。俺が教えたノウハウを基にな」
「……はい」
「あ、ちなみに俺の雷切は俺が使うから雷切であって名前は“千鳥”だ」
「分かってます」
それじゃ、と立ち去るカカシの背中に龍厦はお礼を述べた。