第10章 再会
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この小説の夢小説設定主人公はイタチとサスケの姉という設定。
その他、名前変換可能のオリキャラ登場します。
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「とりあえず壊滅は免れたものの、被害は甚大なようですね」
「栄華を極めたあの里が……哀れだな」
木ノ葉隠れの里をぐるっと囲む壁の上に、人影が二つ。
黒塗りの生地に赤い雲模様がいくつか入っているマントを身に纏った二人は、木ノ葉崩しにより被害を被った里内を見つめていた。
「ガラにもない……故郷には、やはり未練がありますか? アナタでも……」
二メートル近い身長を持つ男は、まるで鮫のような顔立ちをしていた。
「いいや……」
男の質問に、もう一方の男が否定を口にする。
チリン、と頭に被る傘から垂れ下がる鈴の音を鳴らせ顔をあげた。
「まるで無いよ」
その男の瞳は三つ巴の写輪眼であったーー。
木ノ葉崩しから数日後、里はほとんど落ち着きを取り戻していた。まだ壊れた建物はあるものの、人々は普段の生活に戻りつつある。
次の五代目火影は誰になるのだろうか、などとあちこちで話題に上がる余裕は出てきていた。
また、砂隠れの里より木ノ葉に対して全面降伏すると宣言があった。
今回の木ノ葉崩しの首謀者が大蛇丸であったこと。またその大蛇丸が風影を殺害し、砂隠れも謀られたというのを公表したのである。
共に攻め入ったのに大蛇丸のせいにし、虫の良い話だと言う者もいたが木ノ葉としてはこれを掘り下げる余裕もなく。
里の復旧を優先した結果、砂隠れの降伏を受諾した。
ーー真夜中、龍厦が任務から帰宅すると家のドアに紙が挟まっていた。
既に眠っているであろうサスケが気づいてないということは、挟まれたのは直近であると想像できる。
折りたたまれた紙を開くと、そこにはダンゾウの名前で木ノ葉の東の森に来て欲しいと書かれていた。
根は所属ではないが、ダンゾウは一応里の上層部である。無視はできない。
龍厦は行かないわけにもいかず、家に入ることなくそのまま東の森に向かったのだった。
「お呼びでしょうか」
ダンゾウは隠れることもなく、森の少し開けたところにいた。お供は姿を消しているようだったが、気配はわずかにある。
「そう警戒するでない」
ダンゾウとの距離を保っていたせいだろう。
「呼び出したのは他でもない。龍厦、お前を根に引き入れたい」
「……何故ですか」
「三代目が死んで、五代目がまだ決まらぬ今が節目だからだ。こちらとしてもお前の力は根に欲しいと思う」
散々うちはを滅ぼそうとしといて何をほざいているのかと、龍厦は内心舌打ちした。
今度は根に入れとか怪しさが否めない。
「折角ですが、お断りいたします」
「……何故だ」
流石にバカ正直には言えない。
うちは龍厦は”何も知らない”ことになっているのだから。
「興味ありません。私はこのまま表にいます。次の火影様直轄の暗部になります。それでは夜も遅いので失礼します」
早急に立ち去ろうとした時だ、ダンゾウが突然クナイを投げてきた。
「何の真似ですか?」
咄嗟に避けたものの、ダンゾウからは僅かに殺気が立っている。
「断ることは許さん」
「は?」
思わず悪態をつく。
「意味がわかりませんね。私の人生は私が決めます」
「もはや選択の余地はない。お主にとっても悪い話ではない。サスケを養っていくには早急に根に来たほうが良い」
「どういうことですか」
「なに、簡単なことだ。五代目就任はいつになるかわからん。そんな状態で里に舞い込んでくる依頼は低レベルなものばかりだ。火影不在だと外からの依頼人は皆、他里へ行くのは目に見えている。その反面、根は安泰。高レベルな報酬でお前も、サスケを養っていける程の収入が得られ……時間も作れるというものだ」
良いように言っているが、恐らく狙いは別にあるのだろうと龍厦は感じていた。
「サスケはもう忍です。昔みたいに必死にならなくても二人の収入で生活はしていけますが」
「まだ下忍だろう。たかがしれてる」
「すみませんが、やはりお断りいたします」
そう告げると、ダンゾウは静かに「そうか」とこぼす。
それは諦めた声色ではなかった。
警戒を強める龍厦。
ダンゾウが、片手を挙げると二人の忍が周辺から飛び出してきた。
(どう見てもダンゾウの部下……根の者だ)
クナイを構える二人の忍に、龍厦もクナイを取り出す。
「同じ里の者に刃を向けるんですね」
「お前の力、そう簡単には諦められぬのでな。……やれ」
ダンゾウの合図で二人が一斉に向かってきた。