新兵歓迎会という名の
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第五十七回壁外調査は、104期新兵の入団からわずか一か月後に行われることになった。
入団したばかりの新兵を伴って壁外調査に行くことについて、兵団内でも賛否両論が飛び交ったが……団長のエルヴィン・スミスが「連れて行く」と強く言い切ったため、その方向で新兵の育成が行われていた。
とはいえ、基礎的な訓練は出来ている。
よって実力を互いに把握したり、他の訓練兵団出身の者や先輩たちとの親睦を深めることが主になった。
一か月という短期間でどこまで深められるか分からないが、全く親しくないよりは壁外での連携も取れやすくなるものだ。
――そして、壁外調査まであと半月を切った頃。
団長のエルヴィン・スミスが新兵歓迎会をやると言いだしのであった。
「……正気か、エルヴィン」
「私は至って正気だよ、リヴァイ」
冗談を言っているようには見えない団長様にリヴァイは頭を抱えた。
「他の奴らは知らねぇが、俺達はもう親睦を深めあってる。あのクソ古い建物の中でな」
「……そんなに古くはないと思うぞ。それにな、リヴァイ。今度の壁外調査の目的は分かっているだろう? その壁外で陣形が崩れた場合、班員以外の人間と行動を共にすることもある」
「言いたいことは分かる。だからって俺の班も参加する必要はあるのか? 俺達は、歓迎会で仲を深めるよりやらないといけないことがある。あと少ししかねぇのに、あのクソ野郎は自分の意思で巨人化できねぇんだぞ」
エルヴィンはリヴァイ班を含む全調査兵団で歓迎会をやろうと言っているのだった。
しかし、リヴァイ班が監視している巨人化出来るエレン・イェーガーは自分の意思では巨人化が出来ない。
本人の意思ではないタイミングで巨人化することもあるため、気軽に大勢のいる場所に長時間連れ出すのは反対だった。
そのために今、誰も来ない森の奥の旧調査兵団本部に身を寄せているのだ。
「これはな、マーラの願いでもあるんだ」
「は?」
予想外の名前に、リヴァイは思わず眉を顰めた。
「次の壁外調査の真の目的知っている者の中には、エレンの事を何一つ知らない者もいる。彼らには、自分たちがどういう人物に命をかけるか知っておいてほしい。だそうだ」
「はっ……ブラコン女が……」
「それに、目的を知らない者にも巨人化出来るエレンが化け物だと思われているのは嫌だと言っていたな。いずれにせよ、私も悪い話ではないと思ったから歓迎会を開こうと思ったんだ」
他の巨人と違い、ちゃんと意思を持って喋る人間であることをマーラは分かってほしかったのである。
それは、調査兵団内でエレンの噂があまり良くないことを耳にしていたからだった。
どうにかしたいと思ったマーラはエルヴィンに相談したのである。
入団したばかりの新兵を伴って壁外調査に行くことについて、兵団内でも賛否両論が飛び交ったが……団長のエルヴィン・スミスが「連れて行く」と強く言い切ったため、その方向で新兵の育成が行われていた。
とはいえ、基礎的な訓練は出来ている。
よって実力を互いに把握したり、他の訓練兵団出身の者や先輩たちとの親睦を深めることが主になった。
一か月という短期間でどこまで深められるか分からないが、全く親しくないよりは壁外での連携も取れやすくなるものだ。
――そして、壁外調査まであと半月を切った頃。
団長のエルヴィン・スミスが新兵歓迎会をやると言いだしのであった。
「……正気か、エルヴィン」
「私は至って正気だよ、リヴァイ」
冗談を言っているようには見えない団長様にリヴァイは頭を抱えた。
「他の奴らは知らねぇが、俺達はもう親睦を深めあってる。あのクソ古い建物の中でな」
「……そんなに古くはないと思うぞ。それにな、リヴァイ。今度の壁外調査の目的は分かっているだろう? その壁外で陣形が崩れた場合、班員以外の人間と行動を共にすることもある」
「言いたいことは分かる。だからって俺の班も参加する必要はあるのか? 俺達は、歓迎会で仲を深めるよりやらないといけないことがある。あと少ししかねぇのに、あのクソ野郎は自分の意思で巨人化できねぇんだぞ」
エルヴィンはリヴァイ班を含む全調査兵団で歓迎会をやろうと言っているのだった。
しかし、リヴァイ班が監視している巨人化出来るエレン・イェーガーは自分の意思では巨人化が出来ない。
本人の意思ではないタイミングで巨人化することもあるため、気軽に大勢のいる場所に長時間連れ出すのは反対だった。
そのために今、誰も来ない森の奥の旧調査兵団本部に身を寄せているのだ。
「これはな、マーラの願いでもあるんだ」
「は?」
予想外の名前に、リヴァイは思わず眉を顰めた。
「次の壁外調査の真の目的知っている者の中には、エレンの事を何一つ知らない者もいる。彼らには、自分たちがどういう人物に命をかけるか知っておいてほしい。だそうだ」
「はっ……ブラコン女が……」
「それに、目的を知らない者にも巨人化出来るエレンが化け物だと思われているのは嫌だと言っていたな。いずれにせよ、私も悪い話ではないと思ったから歓迎会を開こうと思ったんだ」
他の巨人と違い、ちゃんと意思を持って喋る人間であることをマーラは分かってほしかったのである。
それは、調査兵団内でエレンの噂があまり良くないことを耳にしていたからだった。
どうにかしたいと思ったマーラはエルヴィンに相談したのである。
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