『朝ですよー、土方さん起きて下さーい』

襖を開けて中を覗くと、布団がもぞもぞと動くが起きる気配がない
寝顔を拝もうと、抜け足差し足で近寄った

『…ぐはっ』

寝顔もイケメン過ぎて鼻から変若水が…

布団の側で、眺めていると艶のある長い睫毛が揺れて瞼が開いた

「…」

『おはようございます』

「…」

ニッコリ笑うみつきを、土方は寝ぼけ眼で見つめている

『早く起きて下さい、旦那様♡』

「誰がおまえの旦那だ！」

みつきの脳天にチョップを食らわせた土方

『酷いじゃないですか！せっかく起こしてあげたのに！』

「寝起きにギャンギャン騒ぐな！早く部屋から出ろ、着替えられねぇだろ」

土方の着替えを用意したみつきが、ニッコリと土方に笑った

『お着替えお手伝いしますよ？』

「あぁ？お前は痴女か！いいから出ろ！」

『遠慮しないで！私はあなたの小姓ですから！』

ジリジリと詰め寄るみつきに、ヒクつく顔の土方


「馬っ鹿！やめろ！離せっ！！」

帯を締めるみつきの手を、土方は掴み外そうとするが、夜着がはだけ慌てた為躓（つまず）きみつきを布団に押し倒してしまった

『…』

「…」

一瞬の沈黙が二人を包んだ
流石に焦った土方は身体を退かそうと腕に力を入れた

「すまっ」

『朝から大胆ですね』

土方の首に手を回し抱きついたみつき
そこへ、様子を見に来た平助が目の当たりにした二人の姿

「えぇぇぇぇっっ？！！！」

「違ぇ！平助、これはこいつがっ！！」

『酷いっ！押し倒したの土方さんじゃないですか！！』

「お前は余計な口を挟むな！！早く離しやがれ！！」


この後、事情を話したが半信半疑の平助であった