『皆んな、お疲れ様』

演練が終わり、帰城しようと歩き出した私達を誰かの声が止めた

振り返れば、そこにいたのは儚げな女性の審神者が立っていた

『どうかしましたか？』

「あの…」

『？』














『え、？』

彼女の言葉が理解出来なくて聞き直してしまった

「和泉守兼定を私にお貸し下さい、お願いします！」

え、貸す？！

「実は…」

彼女の話では、和泉守と共に行く任務があるが、いくら鍛刀しても和泉守が顕現しなくて困っているとの事だが…

「そんな事なら、かっこ良くて強ーい俺がっ！ぃってぇっ！！」

私の前に出て、余計な事を言おうとした和泉守の足を踏み付けて前に出た

『気持ちは凄く分かりますが、刀剣男士の貸し借りは…』

「そう、ですよね、すみませんでした」

『お力になれなくて、申し訳ありません』

肩を落とし、自分の刀剣達と帰って言った彼女

「駄目なのか？」

『うん、可愛そうだけどね…』















寝ようと障子を閉めようと手を掛けた時、窓から見えたのは、戦闘服に身を包んだ和泉守

え？

様子を伺っていると、和泉守は転送装置により姿が消えた

え？
どういう事？


まさか…














『…』

「…」

朝方、皆んながまだ寝静まっている時間帯にこっそり帰ってきたタイミングて和泉守を部屋に連れてきた

『で？』

「っ、で…って何だよ…」

視線を合わせない和泉守

『言わなくても分かるでしょ、昨日の夜どこに行ったの？』

「…そ、れは…」

『まさかとは思うけど』

「いいだろ！！休みの日だ！何してたってお前に関係ねぇだろぅが！」

『良くない！駄目だって言ったじゃん！！』

「は？お前のその言い方がいつも気にくわねぇんだよ！！」

『はぁ？！話ずらさないで！』

「あそこの審神者は、お前みたいにガサツじゃねぇし！俺を敬ってくれんだぞ！少しは見習ったらどうだよ！！」

は？

何、よ、、それ…

「あーぁ、あっちの本丸の奴等は良いよなぁ！あんな主でよ！」




あ、るじ…？

何なの…私の事は、、一回も、、、

呼んで…くれない…くせに



『…もう、分かった』

「え…お、おい！！！」

目の前で、襖が大きな音を立てて閉まった