俺は、朝食を乗せたお盆を持ち主が待つ部屋へ向かっているのだが…

つい、思ってもいない事を口にしてしまった…
ちゃんと、謝らなければな、、、



「主、三日月だ…入っても、良いか」

『どうぞー』

主は、いつも通り俺を呼び入れた
部屋に入れば、机上の書類に目を通している



「……朝食を持ってきたのだが…」

『ありがとう！お腹空いてたんだ！』

主は、にこにこと俺の前に座り手を合わせ朝食を食べ始めた

「…主、先程は…すまなんだ、、あれは、本心ではないのだ…」

『…平気、気にしてないから！』

主は笑ってそう言ったが、髪飾りは外しいつもの一つ結びになっていた…










はぁ…どうしよう…

私は今とてつもなく後悔をしている
目の前には、政府から送られた見合い相手の写真が積み重なっている

先日、三日月が放った言葉に、哀しいやら怒りやらで的確な判断が出来なかった私の元に、政府からお見合いの話があり、浅はかな私は承諾してしまったのだ…

はぁ…

考え過ぎて疲れたので、そのまま畳に倒れた



三日月は、あの任務から私を〝主〟と呼んでくれるようになった
嬉しい…そう素直に思えると思っていた

彼が私を〝主〟と呼ぶのは私を危険に晒（さら）してしまった負い目があっての事だと思う……


彼の心にあるのは〝前の主〟で、彼の中の〝主〟は私じゃない……


私はそっと瞼を閉じた…





『っ！！』

やばっ寝てた、、

「やっと起きたか、大将」

起き上がると机の向かい側に、薬研がいる
待って…何、、読んで…

『…薬研、、、それ、、、』

「見合い相手」

返してもらおうと進めた手が止まった

「俺達に言わないつもりだったのか、大将」

少し、寂しさを含んだ声の薬研に、全てを打ち明けた…いや、もう打ち明けざる終えなかった…