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遊園地に行こう!
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「遅いぞ佐助」
次の日、5分前に待ち合わせ場所に行くと、既に名無しちゃんの姿があった。
「ごめんね、服選びに時間かかっちゃってさ」
「女々しいな佐助、服なんざ適当でいいだろ。私なんか、引っ張り出したのに合わせただけだぞ」
「酷っ!もうちょっと気ぃ使ってくれないの!?」
「佐助に使う必要はないな」
「俺様ショックなんですけど」
いつもの反応に嘆きながら俺は、さりげなく名無しちゃんの服を見る。
適当に合わせた割には、かなり可愛いコーディネートだ。
色は白と黒がベースで、中に来ている服は裾がフリルになっている。
中でも驚きなのは、スカートを履いているということ。
性格的にジーンズ派だと思っていたから、そのギャップにグッとくる。
「それじゃぁ、行こうか!」
名無しちゃんの手をさりげなく握ってみる。
一度はやってみたいなと、密かに思ってことだったりもする。
振り払われるかな、と思ったけど
「あんまりはしゃぐな」
そう言いながら握り返してくれて、すごく嬉しかった。
自然と自分の頬が緩む。
「佐助」
「ん?なにー?」
「ニヤニヤするな、気持ち悪い」
「……」
相変わらず痛い言葉を、包み隠さず言う名無しちゃん。
さっきまで握っていた暖かい手が、急に冷たいもののように感じた気がした。
本当、キツイよ……。
「さて、何から乗る?」
辺りを見回しながら、名無しちゃんに尋ねる。
名無しちゃんは暫く考える素振りを見せてから、一ヵ所を指差した。
「……ジェットコースター?」
何も言わずにただ頷く。
そして、つないだままの手を引っ張り、ジェットコースターのある場所へと足を進め始めた。
……やばい、どうしよう。
遊園地に来といてなんだけど、実はあまり得意じゃない。
「一回乗ってみたかったんだ、速いって有名だろ」
「そうだった気もするー……」
隣を見れば、目を輝かせて言う名無しちゃん。
この笑顔は断れない……!
これはもう、腹を括るしかなさそうだ。
「じゃ、(死にに)行きますか」
「おーっ!!」
あぁ、初っ端からハード。
♢
「おーい、大丈夫かー?」
「大丈夫じゃないかもー……」
ジェットコースターを乗り終えて、なんとかベンチまで歩いてきた。
さっきから目眩がするし、足もフラフラする。
やはり、無理はするものじゃない。
「無理なら無理って言え、心配するじゃないか」
「あはは、ごめんね」
「まったく……ほら、お茶だ」
鞄からお茶を取り出して、俺に渡してくれた。
……これって、間接キス?
「いやいや何言ってんの、そんなの破廉恥じゃないの」
「は?……お前、何考えてた」
「あーいや、何でもない!」
墓穴を掘ってしまい、慌ててお茶を飲む。
少し温い気もしたけど、文句は言えないし何よりスッキリした。
「ふぅ、ありがと!」
「……」
「だから何でもないって!そんな目で見ないで!!」
それからも暫く白い目で見られ続けて、かなり精神的にきた。
「次はどこに行く?」
園内をブラブラしながら、次の行き先を二人で考える。
……もしかしたら、あの場所に行ったら名無しちゃんの珍しい姿が見れるかな?
「ね、次は俺様の行きたいところに行ってもいい?」
「あぁ、構わないぞ」
「よし!」
俺はまた名無しちゃんの手を取って、目的の場所へと向かった。