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君に学ぶ
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家に着き、私はとりあえず着替える。
それからお茶を用意して、勉強会を開始した。
「さて、何の教科からやる?」
「そうだなー……政宗が決めていいよ」
「じゃあ国語からやるか」
「あ、それだったら古典教えてもらっていい?」
早速、教科書を取り出して教えてもらう。
私は国語は得意な教科なのだが、古典だけは例外だ。
日本語の筈なのに、まるで外国語でもやってるような気分になる。
「これはどういう意味だ」
「……えっと……」
「じゃあこれは」
「……」
本気で分からない……!
古典以外はすごい得意なのに、悔しいぞ!?
っていうか、そんな冷たい目で見ないで政宗……。
「おいおい、そりゃないぜ名無し……。前の授業ん時の小テスト、何点だったんだよ?」
「13点……でした。はい」
「50点満点とはいえ、酷いな」
「ごめんなさい……」
「まぁいい、今覚えりゃいいだろ」
そう言って政宗は、レポート用紙を取り出し何か書き始めた。
しばらく別のことをして待っていると、どうやら書き終えたらしく数枚のレポート用紙を渡された。
「これって……」
「そこに書いてあること覚えりゃ、大体はいけんだろ」
「おぉ、ありがとう!」
流石は政宗、ほんの少しの時間で参考書なるものを作ってくれた。
パッと見でも分かるくらい、見やすいし分かりやすい。
……学校の教科書これでいいんじゃないかな?
っていうか、政宗の字綺麗だな。負けたんですけど。
「それ見ながらでいいから、もう一回やってみろよ。その間に俺がテスト作ってやるから」
「了解!」
政宗が書いてくれた内容を理解しながらもう一度見てみると、さっきと違って意味が分かった。
ためしに問題も解いてみるが、今までと違ってスラスラ解ける。
やり終わった後で答え合わせをしてみると、どれも正解。
こ、これが政宗パワーなのか……!?
「どうだ、名無し?」
「すごい、分かるんだけど!流石は政宗だね!!」
「HA!当たり前だろ?名無しも理解すんの早ぇじゃねえか。教え甲斐があるってもんだ!」
「どうもありがとう」
「じゃ、早速テストするか?」
「うん!今なら出来る気がするよ!!」
政宗から、問題が渡される。
「小テストを少し変えたもんだ。きちんと理解出来てりゃ解けるはずだ」
「分かった、頑張る」
「制限時間は……まぁ無しでいいか。出来たら呼べ」
「はーい」
私は早速問題に取り掛かる。
さっき覚えた内容が頭に残ってるから、ほとんど悩まずに解けた。
小テストの時とはえらい違いだ。
「出来たよー」
「早かったな。答え合わせするから待ってろ」
政宗が赤ペンをとり出して、私の答案に丸付けを始める。
リズムよく丸をつける音が、聞いてて楽しい。
どうやらバツはほとんどないようなので、安心した。
「50問中48問……上出来だな」
「嘘、そんなに出来てたの!?え、すごい嬉しいんだけど!!」
ついさっきまで全然分からなかった私が、ここまで解けるようになってるなんてすごい!
「あとは復讐すれば問題ないだろ。他の教科はどうすんだ?」
「あー……今日はもう遅いし、いいよ」
始めた時間が遅かったこともあり、外は既に真っ暗だ。
「そうだな。……さて、褒美はだな」
「え……あ"」
すっかり忘れてたぁぁああ!
どうしよう、相手政宗だよ!?
きっと滅茶苦茶な要求するに決まってるよ!!
「用意できるものならいいって言ったのは覚えてるな?」
「は、はい」
「Please kiss me」
「……は?」
「Ah?聞こえなかったか?仕方ねえ、もう一度だけ言ってやる
……Please kiss me」
kiss?……キス!?
「ななな、何言って……!」
「好きな奴にしてほしいと思って何が悪い?」
「~~っ!!?///」
何、その直球ドストレートな言葉!!
私のことが好きって……嘘……!?
やばい、自分でもわかるくらい顔が真っ赤だ。
耳が熱くて仕方ない。
「……政宗のことが好きだぞ、馬鹿野郎」
恥ずかしいから聞こえないよう小さく呟いて、そっと触れるだけのキスをする。
けど、
「俺も好きだぜ、名無し」
私の言葉は聞こえていたみたいで。
唇を離したあとに政宗が、満足そうな笑顔を見せてそう言った。
……あぁ、今更ながらに悟った。
「これでお前は一生俺のものだ」
私はきっと、一生政宗には敵わないんだ。
END