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遊園地に行こう!その2
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「うぇ……」
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃない……!」
何だか、今日は最悪だ。
叫んだり、気持ち悪くなったりとそればっかり。
本当、何でここに来たのかな、私……。
「もう暗いな……次で最後にするか」
「うん、そうだね」
早く帰りたいがために、私はそう答える。
また政宗が勝手に決めるのだと思っていたら、彼が不意にこっちを見てきた。
「最後は、名無しが乗りたいやつでいいぜ」
「え、本当?」
「あぁ、好きに決めろよ」
そういって、自然に微笑む。
珍しく、本日二回目の優しい政宗とご対面だ。
「どっか、ねぇのか?」
「じゃ、じゃあこっち!」
やっと、選ぶ権利をもらうことができた。
私は嬉しくて、少し小走りしながら目的の場所へと向かった。
♢
目的の場所に着くと、予想外の展開が待っていた。
「やってねぇな」
「嘘……!?」
そう、やっていなかったのだ。
乗りたかった観覧車は、今日はどうやら点検中のようだ。
締めはこれだと決めていたのに、なんとも最悪な結果だ。
「どうする、名無し」
「……」
「そんなに、乗りたかったか?」
「うん……乗りたかった」
私が残念そうな顔をすると、政宗が困ったように頭を掻いた。
そして、何を思ったのか、急に私の腕を引っ張った。
「っ?何を……」
何をするつもりだ、と言い終える前に、おでこに何かが触れる感触がした。
それは柔らかく、目の前には政宗の顔があって視界が暗い。
しばらくして、顔が遠のいたのと同時に、キスをされたのだと理解する。
その瞬間、恥ずかしさが一気に込み上げてきた。
おでことはいえ、キスだ。
「まっ、政宗!?」
「そう落ち込むなよ」
政宗が、笑ってそう言う。
……何でこんなに優しいの?
いつもなら、こんなこと絶対にしないのに。
……他の子には。
いつも、他の子には同じようなことをしているのだろうか。
そう考えた瞬間、胸が痛んだ。
この気持ちは何?
「……優しい政宗、変」
「Ah?……好きな奴に優しくすんのは当たり前だろ?」
「へっ!?」
わざと、顔を近づけて言う政宗。
その言葉に、行動に、胸がドキリと高鳴る。
この気持ちは何て言うの?
あぁ、本当は知ってる。
気付いたのが、今更なだけで。
「……仕方ねぇ。帰るか、名無し」
握られた左手。
私はそっと、彼のその手を握り返す。
気付いた気持ちは、今日を楽しい思い出に変える魔法なんだ。
END
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