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遊園地に行こう!その2
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「……」
「名無し。名無しー」
「……」
「またか」
またか、じゃない。
誰がこんな状況にしてると思ってるんだ、誰が!
(もう駄目だ、もう無理だこれ以上は耐えられない……)
乗り物なんて、何種類もあるというのに、私の嫌いなものにしか行かないなんて。
いくら遅刻したからって、こんな仕打ちはないだろう!
「仕方ねぇ、あっこの屋台で何か食うか。奢ってやるよ」
「え、本当!?」
「あぁ、好きなの選べ」
奢ってやると言われて、思わず笑顔になる。
こういうところが、私はつくづく単純だなと思う。
私は、そこの屋台に売っていたソフトクリームを買ってもらった。
「ん、美味しいー!!」
「本当、美味そうに食うな」
「だって、美味しいんだもん!」
満面の笑みで、政宗に言う。
私は甘いものには目がないのだ。
ふと政宗の方を見ると、少しばかり政宗の顔が赤いことに気づく。
「……政宗?」
「Ah?何だ?」
「顔赤いけど、大丈夫?」
「……っ!?な、何でもねぇ!」
「?」
私が指摘すると、何故か政宗は慌てて顔を覆った。
……何かあったのだろうか?
「次行くぞ、次!」
「え!?ちょっと、待ってよ!」
政宗が、早足で先に行く。
何が何だかよく分からないまま、私はその後を追った。
「……何故に、コーヒーカップなのでしょう?」
「何も、何も気にするな……」
目の前には、定番の乗り物、コーヒーカップ。
政宗を追うことに集中していたから、気づいたらここにいたという感じだった。
まさかとは思うが、これに乗りたかったのか?
「ま、せっかくだし乗るか」
どうやら、別に乗りたかったわけではないらしい。
かといって、乗らないという選択肢も無いようだ。
まぁ、これなら構わないのだが。
「これも、乗り方によっちゃ楽しいもんだしな?」
また、ニヤリと笑った。
背筋の凍るような感覚が、再び背中に走る。
駄目だ……また嫌な予感が。
列に並び(寧ろ並ばされ)いざ順番が回ってきてカップに乗る。
すると政宗はハンドルを持ち、手にかなりの力を込めた。
そう、かなりの。
「まさか、政宗」
「Let's party!!」
「ぎゃぁぁああ!!やっぱり高速スピンっていう落ちぃぃい!?」
政宗はひたすらハンドルを回す。
コーヒーカップは、これでもかというくらいのハイスピードだ。
「止めて止めて止めて!!」
「まだまだいけるぜ!!」
「だから違う、止めてって言ってるじゃないぃぃいいい!!!」
しかし、何度言っても政宗は止めてくれず、最後までそのスピードで回り続けた。