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君に学ぶ
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テスト、約二週間前。
私は完璧で人気者の彼に、
「Ahー?……勉強を教えてほしい?」
「うん、テスト前だし。政宗、成績いいでしょ?」
「Of course!よく分かってんじゃねえか」
(嫌な予感がするけど)勉強を教えてもらうことにしました。
♢
「で、名無しは何を教えてほしいんだ?」
「う~ん……まぁいろいろ?ところどころ弱点あるし、そこ教えてもらってもいい?」
「OK、いいぜ。……ただし」
政宗が口角を吊り上げ、意味ありげに笑う。
……いきなり嫌な予感。
あの笑いをするときは、決まって何か企んでいるのだ。
「何か褒美が欲しいな?」
「褒美?……私の用意できるものならいいけど」
褒美。
政宗の口からその言葉が出ると、あんまりいい結果が予想できないのは私だけだろうか。
私の用意できるものと言ったところで、無茶な要求をしてくるに違いない。
かと言って、ここで断ったら絶対に駄目だ。
機嫌を悪くして、勉強を教えてもらえなくなる。
政宗は、典型的俺様気質。
自分の頼みが通らないと、すぐに機嫌を悪くする。
それでも相手が折れないなら、最終的には力づくだ。
……この前それで、一人の先生が入院した。胃潰瘍で。
自分のクラスの担任で、政宗には相当困っていた先生だ。
可哀想なことにその先生、まず政宗のお気に入りに入っていない。
嫌いな人に対しての態度がキツイ政宗なのに、それに加えて無理矢理無茶な要求を通されたとなったらもうやってられないだろう。
その結果が入院というわけだ。
「用意できるものなら何でもいいんだな?」
「え……う、うん」
「よし、忘れんなよ」
やけに引っ掛かる言い方をする。
……絶対に何か企んでる。
しかも、私のことを虐める気満々に違いない。
先程、政宗を典型的俺様気質と言ったが、加えて言うなら彼は極度のSだ。
しかも、入学当初からずっと席が隣であるため、その矛先は大抵が私に向く。
正直、そろそろ隣を離れたいと思う。マジで。
「いつやる?」
「放課後がいいでしょ。場所は何処にしようか?」
「久しぶりに名無しの家に行きてえな」
「いいよ、じゃあ私の家ね」
褒美に関しての不安は残るが、とりあえず私の家で勉強会をすることとなった。
「他に誰か呼ぶ?」
「いや、これ以上人が増えるのは面倒だ。……どうせ幸村とか呼ぶ気だったんだろ」
「あ、バレた?」
「アイツに教える気なんてしねえぞ。絶対にやる気失くす」
……うん、大体想像つく。
幸村は覚えが悪そうなイメージ。
というわけで、人数は私と政宗だけになった。
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