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屑桐さん家のプレゼント交換

「ねぇ屑桐。僕は今からハンドクリームを買いに行くから、屑桐は僕のプレゼントを用意してきてよ」
「……キサマ、本当にウチの状況を理解していないのか?それとも…」

「違うよ!違うんだってば!
妹さん達に聞いてくれれば分かるよ。プレゼント交換は、300円までなんだ」
「……それも聞いた。俺が全部出すと言った」
だがされど300円、人数分にすると………
まぁコイツには分かるまい。

「そうだね、そうしたよね。
で、僕達もそれと同じ事をしようって事」
「…また出費が増えるのか……」
「うぅ…でもキミ、僕が出すと怒るじゃないか」
「当たり前だろう」

カッと眼光が鋭くなり、あからさまに逆鱗に触れた事を察して、ササッと話を進める。

「だから、僕、お金のかからない物をリクエストしてもいいかな?」
「何…?」
逆に小馬鹿にされたような気分にもなり、少し苛つきを隠さず睨みつける。

「あの……ね、握手とか、ハグとか、その…LOVEはお金がかからないよね?」
「は???」
予想外どころじゃない提案に、思わず間抜けな声が出てしまった。

「だ、だから…っ LOVEだよ!LOVE!
屑桐からは、LOVEをプレゼントして欲しいなっっ」
「な、キサマ、何を……」
若干照れてる様子も無くもないが、
絶対
絶対
絶対
色んな危ない意味にとられかねん事を言っている事に気付いていないぞコイツは!

「おい、視線を逸らすな。俺の目を見てもう一度言ってみろ」
「え、えぇ…は、恥ずかしいな……」
「ならもうそのラ………プレゼントもプレゼント交換も無しだ」
うっかり釣られて自分まで《LOVEだよ♡》なんぞ言ってしまいそうになり、ゾゾっと震えた。似合わないにも程があろう。


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