Ⅰ
Your Name ?
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いつだったか……私がこうして動けるようになった頃か。ラリーと話をしたことが、今まさに、現実に起きているなんて、誰が思っただろう。
[────おぉっと、ここにいたのかアック]
[…あぁ、ブルックリンの守護者]
[こんな所で、なにやってるんだ?]
[少し……夜の景色を楽しんでいた]
[……なんかあったのか?]
[……この、素晴らしい景色を、見せたい人がいるんだ]
[その人を思ってた?]
[ミイラが何を考えているんだと思ったか?]
[ははっ、思わないさ。
……どんな人だったんだ?]
[どんな……言葉で表すのが難しい。
彼女は、とても聡明で、国中の女子の中で、一番の……母上よりも美しい。謙虚さもあった。
国中の、いや、他国の者から、許嫁にとの声が多かった。そんな中でも、彼女は、常に私のそばにいてくれたんだ。どんなときも、彼女だけは余を信じてくれていた。]
[好きだったのか?]
[とても。彼女といる時は、時間が惜しかった。止まってくれと、何度思ったか。
彼女は、私の全て。きっと、彼女も同じだと思う。]
話せば話すほど、彼女を、ハナの顔に声にが、どんどんと強くなる。私の妻にしたかった。するつもりだった。
兄上に知らぬ間に奪われたあの日から、彼女を忘れたこともない。また会えたら、今度は私が彼女の手を取り、護りたい。
そんな事を打ち明けてから、幾分か過ぎ、今余の前には、あの頃と何も変わらないそなたがいた。まるで、エジプトで初めて出会った時のように、民衆に囲まれて。
持っていたものを落としてしまえば、その音に反応した集団は、いっせいにこちらを見てくる。そして、最後に私の姿を見て酷く驚いたそなたと目が合う。
「……ハナ」
私の口からは、酷く掠れていたように思う────いや、後から大統領に聞いた────声が零れ、その声にそなたは顔を歪め、その小さな口で、私の名前を紡ぐ。
『アク、メンラー、?』
「あぁ、ハナ。私の宝石」
『っ……アクメンラー!!!!』
集団を押し退け、私の元まで来るそなたは、そのまま人目を気にせずに胸に飛び込んでくる。
私も、そなたも、共にブルックリンの守護者のようではないのに、お互いの肩が濡れていくのを感じた。
ちらりとハナの肩越しから、向こう側を見れば、私たちの事情を知ってか、大統領が微笑み2人だけの世界にしてくれた。
いつだったか……私がこうして動けるようになった頃か。ラリーと話をしたことが、今まさに、現実に起きているなんて、誰が思っただろう。
[────おぉっと、ここにいたのかアック]
[…あぁ、ブルックリンの守護者]
[こんな所で、なにやってるんだ?]
[少し……夜の景色を楽しんでいた]
[……なんかあったのか?]
[……この、素晴らしい景色を、見せたい人がいるんだ]
[その人を思ってた?]
[ミイラが何を考えているんだと思ったか?]
[ははっ、思わないさ。
……どんな人だったんだ?]
[どんな……言葉で表すのが難しい。
彼女は、とても聡明で、国中の女子の中で、一番の……母上よりも美しい。謙虚さもあった。
国中の、いや、他国の者から、許嫁にとの声が多かった。そんな中でも、彼女は、常に私のそばにいてくれたんだ。どんなときも、彼女だけは余を信じてくれていた。]
[好きだったのか?]
[とても。彼女といる時は、時間が惜しかった。止まってくれと、何度思ったか。
彼女は、私の全て。きっと、彼女も同じだと思う。]
話せば話すほど、彼女を、ハナの顔に声にが、どんどんと強くなる。私の妻にしたかった。するつもりだった。
兄上に知らぬ間に奪われたあの日から、彼女を忘れたこともない。また会えたら、今度は私が彼女の手を取り、護りたい。
そんな事を打ち明けてから、幾分か過ぎ、今余の前には、あの頃と何も変わらないそなたがいた。まるで、エジプトで初めて出会った時のように、民衆に囲まれて。
持っていたものを落としてしまえば、その音に反応した集団は、いっせいにこちらを見てくる。そして、最後に私の姿を見て酷く驚いたそなたと目が合う。
「……ハナ」
私の口からは、酷く掠れていたように思う────いや、後から大統領に聞いた────声が零れ、その声にそなたは顔を歪め、その小さな口で、私の名前を紡ぐ。
『アク、メンラー、?』
「あぁ、ハナ。私の宝石」
『っ……アクメンラー!!!!』
集団を押し退け、私の元まで来るそなたは、そのまま人目を気にせずに胸に飛び込んでくる。
私も、そなたも、共にブルックリンの守護者のようではないのに、お互いの肩が濡れていくのを感じた。
ちらりとハナの肩越しから、向こう側を見れば、私たちの事情を知ってか、大統領が微笑み2人だけの世界にしてくれた。