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『デイリー、』


「ラリーだ」


『────ラリー、また会えるなんて思わなかったわ』


「僕もだ。向こうのみんなは元気にしてるのか？」


『えぇ、恐らくね。

私たちはもう、動くことが出来ないから』


「あー、……そうだった、忘れてたよ」


『それに、カームンラー様亡き後、私がエジプトブースのメイン展示物になったの。地下にはもう居ない』


「そうか！そりゃいい。君は、あの博物館で知性に溢れた女神なんだから、勿体ないと思ってたんだ」


先に行ったニックを追いながら、2人がそんな会話をする。扉の向こうに待つ、あの日常を見せようと、少し興奮したように、彼がドアノブに触れる。


しかし、それな叶わず、彼女がラリーの腕を掴むと、振り向かせた。


『飛行術の宝石、忘れてはダメよ』


「飛行……あぁ、アメリア・イアハート」


『貴方を送り届けた後、ずっと私に話をしてくれたわ。

とっても勇敢で……チャーミングだったって。』


「そう……」


『彼女が、貴方と同じ人種だったら良かったのに』


静かに笑みを浮かべ、ゆっくりと告げるとラリーはなんと返したらいいのか分からないのか、しばらく無言の後、誤魔化すように、そうだ、と告げる。


「君に紹介したい人がいるんだ。」


『私に？』


「あぁ、きっと……いや、絶対、君は気に入る。」


『デイリーがそんなに言うのなら、凄い人なのでしょうね』


扉が開くと、様々な展示品が楽しそうに動き回っている。その様子に、ハナは目を輝かせ楽しそうに体を動かす。


ラリーに待つように言われ、階段に座れば彼女の姿を見つけた、サカジャヴィアやアッティラたちが、嬉しそうに近寄り、一瞬で外から見えなくなった。


「ハナ、よく来てくれたわ。ようこそ、自然史博物館へ」


『ヴィア、貴女に再び会えるなんて、夢のようだわ。元気そうでよかった。』


「ここにはいつまで？」


『さぁ、はっきりと分からなくて。でも、2週間くらいじゃないかしら。今までも、それくらいで帰ったから』


「なら、私と一緒に馬に乗りましょう？とても高くて、楽しいわよ」


『素敵ね、馬には乗ってみたかったの。私は、ラクダにすら乗せて貰えなかったのだから。

楽しみだわ、いつ乗、』


彼女が最後まで言いきる前に、床に何かが落ちる音が響く。途端にこの集団が静まり返り、何事かと振り返ったりで空間ができると、ハナもまたその向こうにいる人を捉え、目を開いた。