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『ナットも参加すれば？』


「やめてよ、私はそういうのに興味はないの」


貴方こそやれば？なんて言うような視線を送ってくるから、同じように首を横に振る。


冗談じゃない。私は、そういう無駄な事に力は使いたくないのよ。って言ってあげれば、相変わらずね、って笑った。


「ところで、彼とのビリヤードはどうだった？」


『それ聞く？』


「さっきも、別れ際メモを渡されてたでしょ」


『目敏いわね、ほんと』


最後に取っておいた、体に悪そうな色のチェリーを口に含むと、今に始まったことじゃないわって。


「もちろん、行くんでしょ？」


『ナットまでそれ言うの？』


「だって、貴方好きじゃない、ピーナッツバター」


『それとこれとは、話が違、っ…！！』


最後まで言いきれずに、突如として頭が割れるくらいの音が響いて、思わず手から瓶が落ちていく。


そして、地を這うような声がするから、何事かって感じで振り向くと、そこには壊れかけのロボットが不自然な格好で立っていた。


『……なにあれ』


「いいや、相応しいものか。みな、人殺しだ」


男たちの誰かが言った事に反応してるのか、否定するからちらりとキャプテンに視線を向けると、真っ直ぐとロボットを見据えたまま、彼が口を開いた。


「スターク」


「ジャービス」


「すまない、寝起きでね。夢を、見ていたというべきか」


『スタークが作るロボットは、夢を見るまで進化を遂げたのね』


「馬鹿言うな、誰がそんなものを作るか」


スタークは、手元のタブレットを仕切りに動かし、ロボットは人間がやるみたいに頭を抱えるしで、見たことない光景に、この後何が起きるのか何となく予想がついた私は、さりげなくヘレン博士を背中に隠した。


「ハナ、」


『大丈夫、ヘレン博士は私が守る』


少し不安そうに名前を呼ぶから、軽く振り返って笑みを送ると、何度も頷いてくれる。


再び前を向いたら、もうあとは早くて、あのロボットが操って居るのかなんなのか、続々とロボットが壁を突き破って出てくるから、飛んでくるガラスの破片から守るために、羽根を広げる。


そして、そのまま彼女の両脇を差し込んで持ち上げると、襲いかかってくる敵を足で倒すなりしていく。


「ありがとう」


『いいのよ、私たちの仲でしょ』


一先ずピアノの影に博士を隠すと、そこに寄ってたかってくるロボットを隠し持っていた銃で打ち続けていきながら、周りを見ればもう、室内はボロっボロだった。