Age of Ultron
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カンっ────
パーティー会場にさりげなく響く、キューでボールを弾く音。
ビリヤードテーブルから上体を起こし、9個のボールが穴に吸い込まれていく様子を横目に、俺は勝ち誇った顔を見せる彼女に、口角を上げる。
「なんだ、ビリヤードが得意なら、そう言ってくれればいいだろ」
『別に……ウィルソンの顔を立ててあげたかっただけ』
「そうか……なんか複雑だなそれ」
『次、あなたの番よ。』
テーブルに軽く腰かけ、キューで遊ぶ彼女に俺はビリヤードどころじゃなくなり、適当に持っていたそれを放り投げると、代わりにボーイが持ってきたグラスを2つ手に取った。
「アンタの腕前はよーく分かった。」
『……なに?』
「次は、俺の飲み明かそうぜ」
『………それは遠慮しとく。』
グラスを受け取ってくれたものの、急に顔色を変えてここから離れるから、引き留めようと腕に手を伸ばすとパシンっと音が響く。
『触らないで。』
「あ、あぁ……すま、」
『ビリヤード、楽しかったわ。ありがとう』
少しズレた手袋を直ぐに治し、逃げるように下へと降りていく彼女を見送ることしか出来なかった俺は、深い溜息をつき適当に椅子に腰かける。
彼女────ハナを初めて目にしたのは、任務から戻ってきたらしい姿を見た時だった。
スティーブとバートン、他数人のエージェントに紛れて、彼女は銀色に輝く薄い羽を広げ降り立った姿に、酷く興奮した。
最初は、彼女が誰なのか、俺みたいな普通人じゃなくて雷様みたいな人種なのか、それとも途中からそうなってしまったのか、要は基本情報を知りたかった。
だから、スティーブにさりげなく聞けば、ペラペラと教えてくれるから、彼女と話すタイミングを完全に失った。
ミーティングの時、トレーニングの時、事務作業をしている時、姿を見掛けるのに常に周りにはナットやマリアがいるもんだから、近付けやしない。
んで、今回のパーティーを利用した訳なんだが……
「全然上手くいかねぇじゃん」
「何が上手くいかないんだい?」
「ん?………あぁ、バナー博士」
急に頭上から声が聞こえたから、なんだと思えばにこやかな笑みを浮かべている博士がいた。
「……ドーランが気になるのかい?」
「博士にはお見通しってことか」
「ははっ、君がドーランを見る時の顔は、S.H.I.E.L.D.じゃ有名だよ」
メガネを外し、からかう口調でいうから軽く睨めば、首をすくめた。
カンっ────
パーティー会場にさりげなく響く、キューでボールを弾く音。
ビリヤードテーブルから上体を起こし、9個のボールが穴に吸い込まれていく様子を横目に、俺は勝ち誇った顔を見せる彼女に、口角を上げる。
「なんだ、ビリヤードが得意なら、そう言ってくれればいいだろ」
『別に……ウィルソンの顔を立ててあげたかっただけ』
「そうか……なんか複雑だなそれ」
『次、あなたの番よ。』
テーブルに軽く腰かけ、キューで遊ぶ彼女に俺はビリヤードどころじゃなくなり、適当に持っていたそれを放り投げると、代わりにボーイが持ってきたグラスを2つ手に取った。
「アンタの腕前はよーく分かった。」
『……なに?』
「次は、俺の飲み明かそうぜ」
『………それは遠慮しとく。』
グラスを受け取ってくれたものの、急に顔色を変えてここから離れるから、引き留めようと腕に手を伸ばすとパシンっと音が響く。
『触らないで。』
「あ、あぁ……すま、」
『ビリヤード、楽しかったわ。ありがとう』
少しズレた手袋を直ぐに治し、逃げるように下へと降りていく彼女を見送ることしか出来なかった俺は、深い溜息をつき適当に椅子に腰かける。
彼女────ハナを初めて目にしたのは、任務から戻ってきたらしい姿を見た時だった。
スティーブとバートン、他数人のエージェントに紛れて、彼女は銀色に輝く薄い羽を広げ降り立った姿に、酷く興奮した。
最初は、彼女が誰なのか、俺みたいな普通人じゃなくて雷様みたいな人種なのか、それとも途中からそうなってしまったのか、要は基本情報を知りたかった。
だから、スティーブにさりげなく聞けば、ペラペラと教えてくれるから、彼女と話すタイミングを完全に失った。
ミーティングの時、トレーニングの時、事務作業をしている時、姿を見掛けるのに常に周りにはナットやマリアがいるもんだから、近付けやしない。
んで、今回のパーティーを利用した訳なんだが……
「全然上手くいかねぇじゃん」
「何が上手くいかないんだい?」
「ん?………あぁ、バナー博士」
急に頭上から声が聞こえたから、なんだと思えばにこやかな笑みを浮かべている博士がいた。
「……ドーランが気になるのかい?」
「博士にはお見通しってことか」
「ははっ、君がドーランを見る時の顔は、S.H.I.E.L.D.じゃ有名だよ」
メガネを外し、からかう口調でいうから軽く睨めば、首をすくめた。