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ブラインドの隙間から入る日差しで、俺は起こされた。何度か瞬きをして、辺りを見渡すとどうやら真夜中に起きた出来事は夢じゃなかったらしい。


そのまま床で寝た事から、いつもは感じない身体の痛さに顔を歪め、ゆっくり立ち上がるとベッドには寝返りを打ち穏やかに眠るハナの姿。


いつものランニングに行きたいところだが、彼女を1人にしていいのか、とそんな疑問が過ぎるも、ベットサイドに置いたスマホに何件か通知が入っていたことに気付き慌てて目を通す。


ロマノフから届いたそれは、ハナの取り扱いについてとこれからの事だった。夜中に見たあれは、発作らしくそれが過ぎればこっちから起こさない限り起きないらしい。


あとは、ハナに触る時は手袋をすること、万が一彼女に触れてしまった場合は、解毒剤を打つこと、とあったからきっと床に落ちてたやつなんだろうな。ただ手袋なんてものはないから、どうするか。


それと、ロボット────ウルトロンとかいうやつ────を見つけたから、対処しに行くとかいう報告。1番下には、ハナの気持ちが安らぐまで家に置いて欲しい、と一文付け加えられていた。


まぁ、当分起きることはないって分かったから、俺はランニングに出る支度を整え、普段は持ち歩かないカードを仕舞い家を出る。


いつものコースを走りながら、ランニングが終わったら最近見つけたカフェでモーニングをテイクアウトするか。それとも、手料理を食べてもらうか？


好物はピーナッツバタージャムサンドだし、他に何が好きなのかも大体は把握してる。別に、彼女の資料を見るほど暇じゃないからな。ぼんやりと観察をしていたら、自然と………って、なんで俺釈明しようとしてんだ。


けど、ハナがいるこれからを考えていると、ランニングも早くなるらしい。いつの間にか決めている周は走り終わり、時間も何倍も早い。


こりゃいいな、なんて帰りの道中で必要なものを買って、家へと戻ると先にシャワーを軽く浴びる。色々支度を整えると、出る時には全く気が付かなかった手袋が、机の上にありロマノフが言ってたものはこれかと分かる。


部屋にはいまだ目覚めていないハナがいて、まぁゆっくり寝かせてやろうと、扉を閉めると紙袋からあれこれを出す。


今日の朝は、何が食えるか分からないからスープにベーコンにスクランブルエッグを作ろう。ああ、忘れずにピーナッツバタージャムサンドも作るさ。