Age of Ultron
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「前から気になってたけど、やっぱりこの納屋は改良した方がいいわ。真っ暗だもの、時間が分からなくなる」
昼間なのに、暗闇がここだけ広がっていて、やっぱりクリントに言ってあげましょうか、なんて勝手に決める。
ゆっくりと中に入ろうと1歩踏み入れれば、ビュンっと音を鳴らして足元に槍が突き刺さった。
「ハナ、武器は良くないわ。私は丸腰なのよ」
『なら入ってこないで、これ以上、近付かないで』
「……分かったわ。私はここから動かない。
だけど、質問はさせてちょうだいよ。それくらいなら、構わないでしょう?」
とりあえず、倒れている椅子を起こしてそこに座れば、向こうはだいぶ長い沈黙の後、それなら、って返事をしてくれる。
「何を見せられたの?」
『……この身体になって、初めて、人を殺した時の、』
「わかった、もういいわ、これ以上思い出さない方がいい」
『…ねぇ、ナット。
ナットは、初めて殺した相手が誰か、覚えてる?
初めて銃口を向けた時、相手がどんな顔をしてたか。
どんな姿で地面に倒れたか。
息絶える時、何を呟き、どんな目でこっちを見ていたか。』
「どうかしら、随分殺してきたしもう覚えてないわ」
『そっか
………私はね、覚えてるよ。
誰が、どんな顔をして、どんな事を言って、死んだのか。ちゃんと。』
彼女の言葉一つ一つに、理解できない位の悲しみが詰まっていて、双子の片割れに見させられた私の夢を遥かに超えるものを見たのだと、直感する。
「ハナ、」
『ただ好きなものを研究していただけなのに』
「っ、」
『……お願い、もう戻って。
これ以上私のそばにいたら、ナットの事傷つけちゃう。』
何も考えないで、そう言おうと思ったのに、決定的なことを言われて何も返せなかった。
彼女の苦しみを理解して、励ましたいのに、今の私にはそれが難しくて、それを分かっているからか、ハナも近付くなって言ってくれる。
「…わかった。
ただ、夕食になったらまた来る、」
椅子を元の位置に戻して、開けっ放しの扉に手をかけながら言ったのと被せるように、背後で何かが崩れる音がして、咄嗟に振り向けば、暗闇でもよく分かる程の銀色の羽が見えた。
「ハナっ!!!
────誰か!今すぐ薬を打って納屋に来て!」
スマホのライトで奥を照らすと、そこには農作業で使う道具を倒しながら苦しそうにのたうち回るハナがいて、無線に叫んだ。
「前から気になってたけど、やっぱりこの納屋は改良した方がいいわ。真っ暗だもの、時間が分からなくなる」
昼間なのに、暗闇がここだけ広がっていて、やっぱりクリントに言ってあげましょうか、なんて勝手に決める。
ゆっくりと中に入ろうと1歩踏み入れれば、ビュンっと音を鳴らして足元に槍が突き刺さった。
「ハナ、武器は良くないわ。私は丸腰なのよ」
『なら入ってこないで、これ以上、近付かないで』
「……分かったわ。私はここから動かない。
だけど、質問はさせてちょうだいよ。それくらいなら、構わないでしょう?」
とりあえず、倒れている椅子を起こしてそこに座れば、向こうはだいぶ長い沈黙の後、それなら、って返事をしてくれる。
「何を見せられたの?」
『……この身体になって、初めて、人を殺した時の、』
「わかった、もういいわ、これ以上思い出さない方がいい」
『…ねぇ、ナット。
ナットは、初めて殺した相手が誰か、覚えてる?
初めて銃口を向けた時、相手がどんな顔をしてたか。
どんな姿で地面に倒れたか。
息絶える時、何を呟き、どんな目でこっちを見ていたか。』
「どうかしら、随分殺してきたしもう覚えてないわ」
『そっか
………私はね、覚えてるよ。
誰が、どんな顔をして、どんな事を言って、死んだのか。ちゃんと。』
彼女の言葉一つ一つに、理解できない位の悲しみが詰まっていて、双子の片割れに見させられた私の夢を遥かに超えるものを見たのだと、直感する。
「ハナ、」
『ただ好きなものを研究していただけなのに』
「っ、」
『……お願い、もう戻って。
これ以上私のそばにいたら、ナットの事傷つけちゃう。』
何も考えないで、そう言おうと思ったのに、決定的なことを言われて何も返せなかった。
彼女の苦しみを理解して、励ましたいのに、今の私にはそれが難しくて、それを分かっているからか、ハナも近付くなって言ってくれる。
「…わかった。
ただ、夕食になったらまた来る、」
椅子を元の位置に戻して、開けっ放しの扉に手をかけながら言ったのと被せるように、背後で何かが崩れる音がして、咄嗟に振り向けば、暗闇でもよく分かる程の銀色の羽が見えた。
「ハナっ!!!
────誰か!今すぐ薬を打って納屋に来て!」
スマホのライトで奥を照らすと、そこには農作業で使う道具を倒しながら苦しそうにのたうち回るハナがいて、無線に叫んだ。