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目的地にたどり着くと、息を潜めゆっくりと中へと入っていけば昨日ぶりに見たウルトロンが、ターゲットである武器商人 クロウと一緒にいた事に誰もが気付く中、彼女だけロボットに仲間がいたことを知らなかったらしい。


《ねぇちょっと、あの子達だれ？》


〈ドーラン、君の時計に情報を送った。読んでおけ〉


スティーブ達の反対側に居たハナは、腕から光る時計を操作し、ウルトロンの近くにいる2人は、強化人間だと理解したのと同時に、状況が変わったのか誰かが階段から落ちた音が。


その後で、怒りの感情を顕にしたウルトロンの前に、反対側にいたはずの3人が現れると、ハナは背中から羽を出した。


「悲しいなぁ、息子よ。パパのハートは割れそうだ」


「割ってやろうか」


「何も割る必要はない」


「それじゃあ、オムレツは出来ないぞ」


「言おうと思ったら先越された」


「はいはい、面白いよスタークさん。

ここ、懐かしい？昔を思い出すか？」


「僕は武器商人じゃない」


「手を引くなら今のうちだぞ」


「よく言うわ」


「辛い過去は知ってる」


「あーっはは

キャプテンアメリカ。正義の権化みたいな顔をして、戦争がなければ生きていけないくせに。

反吐が出そうだ、まぁ実際には出せないが」


「平和を守りたいなら、我々に任せろ」


「お前の言う平和とは、静けさの事か？」


「ふっ

ヴィブラニウムを何に使う」


「良くぞ聞いてくれました、などと言って滔々と作戦を披露すると思うか！？」


本題に切り込んだスタークに、ウルトロンは我慢出来なかったのか、彼に向かって攻撃を始めると、先に動いたのはソーで、かと思えば呼び寄せた新たなロボットと対決を始める。


そして、誰かが命令を出したのかスタークとウルトロン、ロボットとスティーブ、ソーの戦いに邪魔するようにクロウの手下たちとの銃撃戦も始まった。


当然、ハナの周りにもそれはいたのか、一斉に銃口を向けてきた為、勢いよく飛び上がるとそのまま攻撃しながら、わざとかすり傷を作る。


そして、その血液を敵の目や口に瞬時に塗っていくと、途端に次から次へと苦しみながら倒れていく中、どこからか飛んできたのか、その血液が付着したらしく、ハナの目の前に咳をする強化人間が現れた。


『……これって、捕まえるべき？』


厚手の手袋を確認し、足元にいる男に手を伸ばそうとした時、背後に回られた誰かに操られ、目を見開きそのまま床に座り込んだ。