拍手夢③ナンパから守らせてみた
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「こんにちは~! キミ可愛いね、一人?」
「時間あるなら俺らとショッピングに行かない?」
散歩がてら一人で街を歩いていたら、若いお兄さん二人に声を掛けられた。
うーんと私が返事をためらっていると、お兄さんの一人が「俺達の奢りでどう? 可愛い服とか買ってあげるよ」との一押しが。
「奢り」と「可愛い服」に目の眩んだ私は、これは行くしかないとOKの返事をしようとしたその時―――
突如地面から足が離れ、目の前のお兄さん達が一瞬で消えてしまい、まるでD・ホイールに乗っている時みたいな凄い突風が私を襲う。
そこでようやく私は、D・ホイールに乗ったジャックにさらわれた事を理解した。
よくジャックには今のように連れ去られるから、別に驚きもしないけど。
そのジャックは有無を言わさず私を自分の膝の上に乗せた途端、凄いスピードで走りながら話を切り出した。
「ええい、お前は何度も何度もああいう手口に引っかかりおって!」
「何で怒ってるの? ジャック」
「まだ分かっていないのか!? あれはナンパだ!」
「えぇ、ウッソ~? だって今日はお兄さん達が可愛い服を買ってあげるって言ってくれたんだよ? おいしい物を奢ってあげるよじゃなかったよ?」
前にジャックが言っていたナンパというのは、おいしい物を奢ると言って近づく輩の事だと話していた。
だから、今日のお兄さん達はただの良い人達に違いないはず―――と私は考えていた。
大体、声を掛けて来た男全員をナンパって決め付けるのもよくない気がする。
「バカなのか、貴様は! いや、バカなのは充々承知していたが!!」
と、さらに大きな声で怒鳴りつけてくるので、私は耳を塞いで怒鳴り声に耐えていた。
うう、至近距離だし元々声量が凄まじいジャックの声は余計耳に響くなぁ……。
そして怒鳴り声が止み終わった頃を見計らって、
ジャックに前々から疑問に感じていた事を質問してみた。
「ねぇ、いつもジャックってナンパについて行っちゃダメだって言うけど、何でついて行っちゃダメなの? タダでおいしい物とか奢ってくれるんだよ?」
そう言った瞬間のジャックの呆れた顔!
大げさな程の深いため息!
私はそんなに心底呆れられるような質問をしてしまったのだろうか?
そんな不安が頭をよぎっていると、ジャックはD・ホイールを停止させ、私を姫抱きにしたまま降りて歩き出した。
――疲れた雰囲気を周囲に漂わせるジャック。
普段そんな面は滅多に見せないジャックなだけに心配になって、私はおそるおそる声を掛けた。
「ジャック……あの……」
「連れて行かれた後どうなるのか具体的に言ったとしても、きっとお前には伝わらないだろう……」
ジャックは独り言のように小さく呟くと、歩いていた足を止めた。
そして私を抱く腕の力がギュッと強くなっていくのが伝わる。
「ただ分かって欲しい……。他の男とお前が供にいると思っただけで、我が胸に突き刺さるこの痛みを」
そう口にして、私の顔を見遣るジャックの表情はとても苦しそうで……。
この時、ようやく初めてジャックの心境を私は知った。
私が平気で男の人と一緒にいる間、ジャックは傷付いていたんだ。
なのに、私は彼女のくせに全然気が付いてあげられなくて……。
私はジャックの胸にそっと手を当て、そのまま問い掛けた。
「ジャック、今も痛いの……?」
「ああ……、痛い。耐え忍ぶことなど到底出来そうにない」
「私がジャック以外の男の人と一緒にいるとそうなるんだったら、私……もう誰にも声を掛けられてもついて行かない」
これから男の人にどんなにおいしい物を奢ってくれると言っても、
可愛い洋服を買ってあげると話しかけられても……絶対について行かない。
だって私には、奢られても買ってもらえても手に入れられない大事なものがあるって気付いたから。
「その言葉に嘘はないな?」
「うん、なんだったら誓うよ」
「では、誓え。俺以外の男にもう目を向けんとな……」
低い声でそう言い終えると、ジャックはゆっくりと目を閉じた。
私は抱きつくようにジャックの首に腕を回し瞼を閉じると、静かに誓いのキスをしたのだった――。
「時間あるなら俺らとショッピングに行かない?」
散歩がてら一人で街を歩いていたら、若いお兄さん二人に声を掛けられた。
うーんと私が返事をためらっていると、お兄さんの一人が「俺達の奢りでどう? 可愛い服とか買ってあげるよ」との一押しが。
「奢り」と「可愛い服」に目の眩んだ私は、これは行くしかないとOKの返事をしようとしたその時―――
突如地面から足が離れ、目の前のお兄さん達が一瞬で消えてしまい、まるでD・ホイールに乗っている時みたいな凄い突風が私を襲う。
そこでようやく私は、D・ホイールに乗ったジャックにさらわれた事を理解した。
よくジャックには今のように連れ去られるから、別に驚きもしないけど。
そのジャックは有無を言わさず私を自分の膝の上に乗せた途端、凄いスピードで走りながら話を切り出した。
「ええい、お前は何度も何度もああいう手口に引っかかりおって!」
「何で怒ってるの? ジャック」
「まだ分かっていないのか!? あれはナンパだ!」
「えぇ、ウッソ~? だって今日はお兄さん達が可愛い服を買ってあげるって言ってくれたんだよ? おいしい物を奢ってあげるよじゃなかったよ?」
前にジャックが言っていたナンパというのは、おいしい物を奢ると言って近づく輩の事だと話していた。
だから、今日のお兄さん達はただの良い人達に違いないはず―――と私は考えていた。
大体、声を掛けて来た男全員をナンパって決め付けるのもよくない気がする。
「バカなのか、貴様は! いや、バカなのは充々承知していたが!!」
と、さらに大きな声で怒鳴りつけてくるので、私は耳を塞いで怒鳴り声に耐えていた。
うう、至近距離だし元々声量が凄まじいジャックの声は余計耳に響くなぁ……。
そして怒鳴り声が止み終わった頃を見計らって、
ジャックに前々から疑問に感じていた事を質問してみた。
「ねぇ、いつもジャックってナンパについて行っちゃダメだって言うけど、何でついて行っちゃダメなの? タダでおいしい物とか奢ってくれるんだよ?」
そう言った瞬間のジャックの呆れた顔!
大げさな程の深いため息!
私はそんなに心底呆れられるような質問をしてしまったのだろうか?
そんな不安が頭をよぎっていると、ジャックはD・ホイールを停止させ、私を姫抱きにしたまま降りて歩き出した。
――疲れた雰囲気を周囲に漂わせるジャック。
普段そんな面は滅多に見せないジャックなだけに心配になって、私はおそるおそる声を掛けた。
「ジャック……あの……」
「連れて行かれた後どうなるのか具体的に言ったとしても、きっとお前には伝わらないだろう……」
ジャックは独り言のように小さく呟くと、歩いていた足を止めた。
そして私を抱く腕の力がギュッと強くなっていくのが伝わる。
「ただ分かって欲しい……。他の男とお前が供にいると思っただけで、我が胸に突き刺さるこの痛みを」
そう口にして、私の顔を見遣るジャックの表情はとても苦しそうで……。
この時、ようやく初めてジャックの心境を私は知った。
私が平気で男の人と一緒にいる間、ジャックは傷付いていたんだ。
なのに、私は彼女のくせに全然気が付いてあげられなくて……。
私はジャックの胸にそっと手を当て、そのまま問い掛けた。
「ジャック、今も痛いの……?」
「ああ……、痛い。耐え忍ぶことなど到底出来そうにない」
「私がジャック以外の男の人と一緒にいるとそうなるんだったら、私……もう誰にも声を掛けられてもついて行かない」
これから男の人にどんなにおいしい物を奢ってくれると言っても、
可愛い洋服を買ってあげると話しかけられても……絶対について行かない。
だって私には、奢られても買ってもらえても手に入れられない大事なものがあるって気付いたから。
「その言葉に嘘はないな?」
「うん、なんだったら誓うよ」
「では、誓え。俺以外の男にもう目を向けんとな……」
低い声でそう言い終えると、ジャックはゆっくりと目を閉じた。
私は抱きつくようにジャックの首に腕を回し瞼を閉じると、静かに誓いのキスをしたのだった――。