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感想・雑記

茂夫という創生児

2019/06/08 15:50
今さらですが、モブサイコのテーマは霊幻がモブ君に言った「受け入れてやれ自分を」なんだと感じています。
モブ君も霊幻も律も、最終的には自分を受け入れることで葛藤し、成長していきます。

そして、個人的に16巻に出てきた茂夫が印象的で好きです。
初登場のときに書いたここでの感想はおかっぱへの叫びしかなかったんで、改めて茂夫について書きたいと思いました。

茂夫とモブ君を考えていてふと同調したのが、YELLOW MONKEYの“創生児”でした。
自分の心の葛藤が一人称“僕”と“俺”で表現されていて、ぶつかり合う歌詞です。
その歌詞の中で出てくる、乱暴で本音を言う「俺」を「僕」は“弟”と呼んでいました。あとから生まれた自我ということになります。

モブ君はというと…

モブ君→茂夫を「お前」
茂夫→モブ君を「アンタ」

この差はなんだろうと思いました。
二人が出会ったとき、互いに「キミ」でしたが、次第に「お前」と「アンタ」に分かれました。モブ君と茂夫が明確に分かれて現れた瞬間です。

そして、この「お前」と「アンタ」という呼び方によって、二人の立場が巧みに変化していきます。
出会ったとき、互いに「キミ」そのあとモブ君は「お前」茂夫は「アンタ」。
茂夫が優勢になって「ツボミちゃんを好きになったのはお前じゃない、僕だ」で、このとき初めて茂夫はモブ君を「お前」と呼んでいます。


モブ君が人に使う呼び方を見直してみると、モブ君は「お前」と「あなた」と「アンタ」を使い分けています。
このアンタがとにかく好きで!!特に霊幻をアンタ呼ばわりするときなんか最高だと思います。

で、モブ君が誰にどんな呼び方をしているか調べてみました。

霊幻
「霊幻師匠」(落ち着いているとき)
「師匠」(感情的な時や余裕がないとき)
「アンタ」(ツッコミを入れるとき。1巻で「アンタ本当に霊能力者か?」や、おまけ漫画で屋敷の掃除をしようとした霊幻に「アンタ何言って…この家何部屋あると思ってるんですか!?」と言ったとき)

エクボ
「エクボ」(大体この名前で呼んでいる)
「お前」(怒ったとき。最初の戦いのときや、テル君ちで目が覚めたときにエクボに「お前がやったのか」と言っている)

最上啓示
「あなた」(初めて対面したとき)
「アンタ」(戦っているとき)
「最上さん」(魔津尾の瓶から出てきたときに呼んでいる)

芹沢克也
「あなた」(初めて対面したとき)
「アンタ」(諭そうとしているとき、戦っているとき)
「芹沢さん」(友達になったあと)

鈴木統一郎
「あなた」(初めて対面したとき)
「アンタ」(諭そうとしているとき、戦っているとき)

学校の友人たち
「トメさん」「竹中君」「花沢君」「メザトさん」(ほぼ名前)

ちょっと間違っていたらすみません。
こうしてみると、モブ君は年上や目上の人には「あなた」だったり「アンタ」を使っています。「お前」を使っているのは人ではないエクボだけです。

そう考えると、茂夫はモブ君にとって目下の存在か、人ではない何かのような存在としてとらえていると思いました。

対する茂夫は、モブ君を「アンタ」と呼んでいます。
モブ君よりも立場は下ということになります。
モブ君よりあとに生まれた自我ととらえることができます。

茂夫はモブ君より立場が下の、創生児でいう“弟”的な存在だと思うとたまりません!
モブ君より独占欲が強くて、わがままで、さみしがり屋で、反発心が強い。
そんな茂夫と霊幻もいいなあ!と思うのです。
モブ君と茂夫は同一人物ですが、もうダブルおかっぱで最高なんです!

しかも霊幻なら茂夫も受け止めるだろうし、自分だけを見て欲しいという荒っぽい茂夫に翻弄されたり、逆に茂夫も霊幻に受け止められて戸惑うようなツンデレさがあると思うのです!

モブ君と茂夫は統一されましたが、モブ君の二面性である茂夫も大好きです!!

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