感想・雑記

アニメ公式ガイドのインタビューを読んだ感想とか

2019/04/10 15:44
インタビューを読んで、アニメモブサイコは不思議な存在感だなあと思いました。

たとえばヒラコー(愛称・作家名平野耕太)の漫画『ヘルシング』は、アニメ化された時、ヒラコーが納得できず、後に一からOVA化されました。ヒラコーファンはほぼコアなファンしかいないのですが、アニメ「ヘルシング」「ドリフターズ」は原作そのものが動いている!といった感じでした。

モブサイコはまた違う気がしました。
原作とアニメは似て非なるものだと感じました。
原作小説と映画みたいな感覚に近かったです。

原作小説を超える映画を私は観たことがありませんが、それは言葉と映像(音)の差なのかもしれません。

その差が良い方向で出たのは、映画『砂の器』で、終盤の音楽が流れる中、父子が旅をする映像がありますが、原作者の松本清張は、小説ではできない表現を最高の形にしてくれたと絶賛したそうです。

漫画もそうだと思います。漫画にしかできない表現があって、逆に小説にしかできない表現があると思います。
たとえば漫画なら、無音の世界やテンポ。小説なら言葉の美しさ、人物の内面の吐露を文字で読めること、目には見えないものを文字で可視化できること、目から入る絵ではなく脳内で生まれる絵を楽しめること。

モブサイコは漫画と小説の両方を兼ね備えた作品だと思っています。それでいてどこか想像をさせる“遊び”や“余裕”を感じます。
たぶん、どこかいい加減な面白さがあるのかなと思います。
今、モブ君の身に起きた事件や事柄の年表を作っているのですが、中2の一年間であのたくさんのできごとを入れると、単行本が前後したり、時期が重なったり、時系列が繋がらなかったりします。
でも、それらを含めて面白いと思わせてくれる魅力がモブサイコにはあります。

インタビューを読んでいて、監督が、コアな原作ファンに向けたコアなフィルムではなく、アニメを見て初めて知る人へモブサイコの普遍的なテーマを広げたいと書かれていました。

私もアニメでモブサイコを知りました。
そのあと原作を読んで、原作の素晴らしさに惹かれました。

ちょっと、コアなファンに向けたコアなフィルムを見てみたいですけど……。

というか、間口を広げてもコアな部分は滲み出ていたし、何より一巻一万円近くするDVDを買うファンはそもそもコアなんだよ!と自分を踏まえて突っ込みたくなりましたが、それを差し引いても、アニメモブサイコは大成功だった思いました。

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