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名前変換
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今日はテニス部部長幸村精市の誕生日だ。
昨日あれやこれや悩んで用意したのがこれ。
ジョーロとスコップ。
「センス無さすぎだろぃ」
「流石に俺でも分かるっすよ」
「ぷりっ」
「名字さんのセンスを疑いますね」
「ま、まあ幸村なら優しいから喜んでくれると思うぜ…多分」
幸村くんが居る病院にむかうまえに部室に集まったみんなにプレゼントを見せる。
真田くんと柳くんは先に行ってしまって居ないのだが。
「うぅ…ガーデニング好きだって言ってたからこれだ!って思ったんだけど…」
どうやら皆の反応を見る限り私の直感は間違っていたらしい。
「皆は何用意したの?」
「男同士で誕生日プレゼントなんてしないっすよ。クラッカーは持ってきたけど」
と赤也は机の上にクラッカーを広げる。ご丁寧に人数分。
「あ、俺も」
と続くは丸井くん。こちらもご丁寧に人数分のクラッカーが用意されている。
気が合うなあと呑気なことを言っている2人の横から仁王くん。
「俺もぜよ」
またもや人数分。
やべー!俺らまじチームって感じじゃん!って騒ぐ赤也にどこでチームを感じてんだと思ったがツッコミを入れる前に柳生くんも乗り出してきた。
「奇遇ですね」
机の上には数え切れなくなってきたクラッカー。
皆の視線はジャッカルに向かう。
それにに気付いたジャッカルは恥ずかしげにビニール袋を取りだした。
中にはもちろん、クラッカー。
「まさか掃除するはめになるとは…」
当たり前なのだが、いくら幸村くんの病室が個室とはいえ、大量のクラッカーを鳴らしてしまえば音はうるさいわ火薬臭いわゴミは沢山出るわで看護師にこっぴどく叱られてしまった。
皆クラッカーハイになっていたのだ。
普通に考えれば分かるはずなのだが、恐ろしい。
「ははっあの怒られてる時の皆の顔、傑作だね」
私が掃除している横で何度も幸村くんが思い出し笑いをする。
幸村くんの笑顔に貢献出来たので良しとしよう。
皆は部活があるので先に帰らせたため病室には私と幸村くんの2人。
幸村くんの思い出し笑いが止まるとシンと静まり返った。
「名前はプレゼントないの?」
あっ、と思いだす。
「ご、ごめん。用意してたんだけど部室に忘れてきちゃった…」
クラッカーハイは忘れ物も誘発するらしい。
「ジョーロとスコップ用意したんだけど」
幸村くんの目が点になる。
やっぱセンス無いのだろうか。
ガーデニング好きだって言ってたからと付け加えても幸村くんの表情は変わらない。
「入院してるのに?」
「退院してから使えばいいじゃん」
と言うとクラッカーの時のように幸村くんは笑いだした。
「君の病人扱いしないとこ好きだよ」
一頻り笑ったあとこちらに向き直る。
「決めた、俺の誕生日プレゼント名前がいいな」
今度は私の目が点になる番だ。
そんな私を見て彼はまた笑うのだった。
Happybirthday 幸村くん