君と恋の100日戦争
君の名は!
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今日は私の方がやらかしてしまった。
机の中もロッカーもカバンの中もどこを探してもないのだ、教科書が。
「幸村くん…教科書見せて欲しいんだけど…」
「ぎゃふんって言ったら見せてあげるよ」
昨日のことめちゃくちゃ覚えてるじゃん。
「幸村くんと同じ方法でならいいよ」
昨日、落書きされた織田信長は未だに机の中でぎゃふんと言い続けている。
「やだよ、俺のマイクはそんな事言わない」
英語の教科書の登場人物にどんな理想を抱いているんだ。
マイクもぎゃふんと言うかもしれないじゃないか。
英語圏ならオーマイガーか…。
などと考えているうちに幸村くんは机を繋げて真ん中に教科書を開いてくれていた。
「見せてくれるんだ」
「見せて欲しいって言ったのは名字だろ」
早くしないと授業始まるよと幸村くんは足した。
急に大人な対応されたら、昨日の私が子供みたいじゃないか。
席に着いた幸村くんに続き私も椅子に座る。
お礼を言おうと幸村くんを見て、ふと気づく。
「幸村くん、嬉しそうだね?何かいい事でもあった?」
「えっ…」
驚いているような、戸惑っているような表情を見せる幸村くん。
私に言えないようないい事があったのだろうか。
「やっぱいい事あったんだ。じゃないと幸村くんがこんなに私に優しいなんてありえないもんね」
気分がいいから私に優しいに違いない。
1人でうんうんと頷いてる私の横で幸村くんは大きなため息をついた。
呆れた表情でこちらを向き私のでこを小突く。
「ほんっと鈍いよね」
「え、何が?」
幸村くんが本日2度目となるため息をついた瞬間教室のドアが開く。
どういう意味か聞き出そうとしていた私はマイクの物語と共に旅立ってしまった。