君と恋の100日戦争
君の名は!
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ニコニコしている私の横で幸村くんは不機嫌そうにしている。
「真田さんってさぁ〜」
「その話やめなよ」
昨日からずっとこれを繰り返している。
いつも余裕ありげにニコニコしている幸村くんの不貞腐れた姿は新鮮でおかしくて、楽しい!
友達の方がモテていること不機嫌になるなんて可愛いとこもあるじゃないか。
横で深いため息をつくのは丸井くん。
「真田が可哀想だから止めてやれって」
放課後、花の様子を見てから帰ろうとする私を捕まえて幸村くんに何かしたかと聞いてくるから昨日からの話をすればこの反応だ。
「見てみろぃ」
丸井くんの指が下を指す。
そこにはゲッソリとした姿の真田さんが歩いていた。
彫りの深い顔が痩けて荒削りの彫刻みたいになっている。
「なんで、こんなことに…」
「名字が真田のことばっか話すからだろぃ」
「どんだけ友達がモテるの嫌なの」
違うけど合ってると言うか違うけどなんて丸井くんは横でもぞもぞと口の中でぼやく。
「幸村くんをからかうチャンスだったのになー」
何があったか分からないがあんなにやつれてしまっては可哀想だ。
もう止めるよと言うと丸井くんは安心したらしい。
「俺も立ち話してたらどやされそうだし、そろそろ部活行くわ」
背中を見せて立ち去る丸井くん…がこちらを向いて慌てたように近づいてくる。
手を口元に置き内緒話のポーズで言う。
「まさか本気で真田が好きなの?」
目の前には真顔な丸井くん。
真面目な顔を見せられてはこちらも真面目な顔をするしかあるまい。
キリッと効果音がつきそうな顔をする。
「今、時代劇にハマってて」
私の言葉は丸井くんのしょーもな!って台詞とチョップで中断させられるのであった。