君と恋の100日戦争
君の名は!
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土日を挟んで月曜日。
美化委員の活動も決まり、今日から花に水やりをする為少し早く登校する。
すがすがしい、とてもすがすがしい朝になるはずだった。
「おはよう、名字」
「テニス部忙しいだろうから水やり私1人でするって言ったと思うんだけど」
「人が挨拶してるんだから挨拶返しなよ」
「おはようございます。…じゃなくて」
続けて同じセリフを繰り返す。
幸村くんと居ると色んな意味でとても疲れるのでテニス部の朝練に託けて水やりを1人でするように仕向けたのだが、何故かいる。何故かいるのだ。
「言ったよね、俺も花が好きだって。水やりくらい手伝わせてよ」
まあ、毎日は難しいけどと付け加えた。
この調子だと無理しなくてもいいとか適当に理由つけても無意味なのだろう。
「分かった…そっちの花壇お願い。草も生えてたら抜いて」
「うん、分かった」
たわいもない話をしながら数分。
花が好きと言うだけあって幸村くんは手際がいい。
そんな私たちの世話する花壇に影が落ちた。
「幸村、今日は朝練に来ないのか?」
振り向くとテニス部のジャージを着て帽子を被った人。
「これが終わったらすぐ行くよ」
「そうか」
「…素敵」
つい、帽子をかぶる男子を見つめながら言ってしまった。
きょとんとする幸村くんと顔が赤くなっていく帽子の人。
「は?え?」
「な、な…くだらん!!!!」
「真田が?素敵?」
真田?誰だ?と思ったがこの状況では帽子の人がそうなのであろう。
「そうだね、真田さん?素敵だなって」
「ダメ!絶対ダメだよ!」
珍しく幸村くんが慌てる。
「真田もぼさっとしてないで朝練行くよ」
「あ、あぁ…」
ぐいぐいと真田さんの背中を押しながら去っていく幸村くん。
残されたのは私と花壇。
「途中なんだけど」
私の呟きに花が笑うように揺れた。