君と恋の100日戦争
君の名は!
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4月。
春休みを堪能した体には花が散った桜並木は荷が重い。
そう、今日は始業式だ。今日から私は中学2年生になる。
クラス替えチェックもそこそこに私は新しいクラスへと向かう。仲良い子が同じクラスにいる事が分かれば十分だ。と言うか名前を見ただけでは正直誰が誰なのか分からない。
(幸村…)
そんな誰が誰だか分からない私も知っている名前が1人。その人物はどうやら私の隣の席のようだ。
知っていると言っても顔もどんな人なのかも知らない。1年の時に仲良かった子がテニス部でよく名前を出していたから知っているくらいのものだ。
てっきり幸村くんと呼ばれて居たから下の名前かと思ってたけど名字なんだ…と意味もなく思いながら春休みの宿題が詰まった鞄を机に置いた。
既に隣の席には鞄がかかっているが当の本人は不在のようだ。
朝練でもあったのだろう。
運動部らしい人達がゾロゾロとやって来た。
その中の1人、紫がかった髪の男子がこちらへ向かってくる。
あ、この人見た事ある。
仲良いテニス部の子が一緒にいるのを何度か見かけたことがある。ということはこの人が隣の席の幸村くんか。
私なんかより先に来て荷物を机に閉まったのだろう。彼は手ぶらで席に座る。
挨拶した方がいいのだろうか。
それなりに人見知りである私は盗み見るようにちらりと彼を見る。目が合う。そして、逸らされた。
え?私何か悪いことしただろうか?
焦る私にあちらから声をかけてきた。
「制汗スプレー持ってない?」
「は?え?持ってないです」
始業式に運動部でもない奴が制汗スプレーなんて持ってるわけない。あっちは私が何者か知らないから仕方ないのか。いや、初対面で聞くのがそれ…?
「丸井がよく名字さんに借りてたって言ってたから持ってるのかと思った」
それはよく知ってる人の名前。私の仲良いテニス部の子。
「体育ある時は持ってるけど…」
「そっか、朝練終わりで汗臭いかもだけどごめんね」
幸村くんはノートでパタパタと自分を仰いだ。
流れ弾のようにふわりと私に届いた風は制汗スプレーを使った後のように良い匂いだった。
春休みを堪能した体には花が散った桜並木は荷が重い。
そう、今日は始業式だ。今日から私は中学2年生になる。
クラス替えチェックもそこそこに私は新しいクラスへと向かう。仲良い子が同じクラスにいる事が分かれば十分だ。と言うか名前を見ただけでは正直誰が誰なのか分からない。
(幸村…)
そんな誰が誰だか分からない私も知っている名前が1人。その人物はどうやら私の隣の席のようだ。
知っていると言っても顔もどんな人なのかも知らない。1年の時に仲良かった子がテニス部でよく名前を出していたから知っているくらいのものだ。
てっきり幸村くんと呼ばれて居たから下の名前かと思ってたけど名字なんだ…と意味もなく思いながら春休みの宿題が詰まった鞄を机に置いた。
既に隣の席には鞄がかかっているが当の本人は不在のようだ。
朝練でもあったのだろう。
運動部らしい人達がゾロゾロとやって来た。
その中の1人、紫がかった髪の男子がこちらへ向かってくる。
あ、この人見た事ある。
仲良いテニス部の子が一緒にいるのを何度か見かけたことがある。ということはこの人が隣の席の幸村くんか。
私なんかより先に来て荷物を机に閉まったのだろう。彼は手ぶらで席に座る。
挨拶した方がいいのだろうか。
それなりに人見知りである私は盗み見るようにちらりと彼を見る。目が合う。そして、逸らされた。
え?私何か悪いことしただろうか?
焦る私にあちらから声をかけてきた。
「制汗スプレー持ってない?」
「は?え?持ってないです」
始業式に運動部でもない奴が制汗スプレーなんて持ってるわけない。あっちは私が何者か知らないから仕方ないのか。いや、初対面で聞くのがそれ…?
「丸井がよく名字さんに借りてたって言ってたから持ってるのかと思った」
それはよく知ってる人の名前。私の仲良いテニス部の子。
「体育ある時は持ってるけど…」
「そっか、朝練終わりで汗臭いかもだけどごめんね」
幸村くんはノートでパタパタと自分を仰いだ。
流れ弾のようにふわりと私に届いた風は制汗スプレーを使った後のように良い匂いだった。
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