不運はつきもの。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜の海軍本部。
芝生の広がる中庭は、月明かりだけが頼りだった。
「……もう一回いくぞ。」
「は、はいっ!」
汗だくのコビーは、息を切らしながらも前に出る。
その少し後ろでは、すでに芝生に倒れ込んだヘルメッポが、完全に戦力外になっていた。
「無理だ……俺もう無理……。」
「ヘルメッポ、せめて座れ。芝生が可哀想だ」
「鬼かよ…水汲んできます…。」
そう言い残し、ヘルメッポは水を取りに中庭を離れていく。
残ったのは二人。
コビーは膝に手をつきながらも、すぐに姿勢を正した。
「続けられます!」
その声に、カイトは思わず小さく笑う。
(……昔の自分みたいだ。)
軍学校時代。
スモーカーやヒナに置いていかれないよう、必死に食らいついていた頃。
「夜は視界が悪い。
でも、悪いことは大体夜に起きる。」
「……!」
「目が慣れるまで、動け。」
そう言った、次の瞬間だった。
月に、雲がかかる。
視界が、急に落ちた。
「え——」
視界を失ったコビーが、足を取られる。
「あ——」
次の瞬間、勢いよくぶつかってきた。
どさっと芝生に倒れ込む二人。
「す、すみません!!」
慌てて身を起こそうとしたコビーだが、勢いが強すぎた。
カイトの足を、ぐっと持ち上げてしまう。
「……っ」
距離が、近すぎる。
月明かりが戻った瞬間、コビーの視界に飛び込んだのは——
間近にある、鍛えられた体のライン。そして膝が地面につくほどの足を持ち上がってしまい臀部が一番近くに。
さらに、動いていたため呼吸の音と、少し汗ばんだ肌、体温上昇で少し赤らんだ頬。
「……っ!!」
コビーの顔が、一気に赤く染まる。
「ほ、本当に……申し訳ありませええええん!!」
視線を逸らし、ほとんど叫ぶように謝ると、
そのまま逃げるように走り去ってしまった。
「……?」
芝生に残されたカイトは、しばらくぽかんと空を見る。
(……またやってしまった…。)
ゆっくり起き上がったところで、
水を持ったヘルメッポが戻ってきた。
「あれ? コビーは…?」
「……走っていった。」
「は?」
遠ざかる足音を見送り、ヘルメッポは首を傾げる。
「あのー、何かありましたか?」
「いや、特に何も。今日はもう終ろう。」
カイトは苦笑し、芝生を払った。
さらに首を傾げたヘルメッポ。
夜風が、少しだけ冷たい。
また一人、
真面目すぎる後輩が、
とんでもない光景を胸に焼き付けたまま帰っていったことを、
本人だけが知らないまま——。
芝生の広がる中庭は、月明かりだけが頼りだった。
「……もう一回いくぞ。」
「は、はいっ!」
汗だくのコビーは、息を切らしながらも前に出る。
その少し後ろでは、すでに芝生に倒れ込んだヘルメッポが、完全に戦力外になっていた。
「無理だ……俺もう無理……。」
「ヘルメッポ、せめて座れ。芝生が可哀想だ」
「鬼かよ…水汲んできます…。」
そう言い残し、ヘルメッポは水を取りに中庭を離れていく。
残ったのは二人。
コビーは膝に手をつきながらも、すぐに姿勢を正した。
「続けられます!」
その声に、カイトは思わず小さく笑う。
(……昔の自分みたいだ。)
軍学校時代。
スモーカーやヒナに置いていかれないよう、必死に食らいついていた頃。
「夜は視界が悪い。
でも、悪いことは大体夜に起きる。」
「……!」
「目が慣れるまで、動け。」
そう言った、次の瞬間だった。
月に、雲がかかる。
視界が、急に落ちた。
「え——」
視界を失ったコビーが、足を取られる。
「あ——」
次の瞬間、勢いよくぶつかってきた。
どさっと芝生に倒れ込む二人。
「す、すみません!!」
慌てて身を起こそうとしたコビーだが、勢いが強すぎた。
カイトの足を、ぐっと持ち上げてしまう。
「……っ」
距離が、近すぎる。
月明かりが戻った瞬間、コビーの視界に飛び込んだのは——
間近にある、鍛えられた体のライン。そして膝が地面につくほどの足を持ち上がってしまい臀部が一番近くに。
さらに、動いていたため呼吸の音と、少し汗ばんだ肌、体温上昇で少し赤らんだ頬。
「……っ!!」
コビーの顔が、一気に赤く染まる。
「ほ、本当に……申し訳ありませええええん!!」
視線を逸らし、ほとんど叫ぶように謝ると、
そのまま逃げるように走り去ってしまった。
「……?」
芝生に残されたカイトは、しばらくぽかんと空を見る。
(……またやってしまった…。)
ゆっくり起き上がったところで、
水を持ったヘルメッポが戻ってきた。
「あれ? コビーは…?」
「……走っていった。」
「は?」
遠ざかる足音を見送り、ヘルメッポは首を傾げる。
「あのー、何かありましたか?」
「いや、特に何も。今日はもう終ろう。」
カイトは苦笑し、芝生を払った。
さらに首を傾げたヘルメッポ。
夜風が、少しだけ冷たい。
また一人、
真面目すぎる後輩が、
とんでもない光景を胸に焼き付けたまま帰っていったことを、
本人だけが知らないまま——。
