不運はつきもの。
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少将室は静かだった。
書類仕事も一段落し、主人公は机に向かったままペンを走らせている。
――ノックもなく、扉が開いた。
「やぁ〜。」
気の抜けた声。
頭を上げなくても、誰だか分かる。
「……クザンさん、またですか。用件がないなら——」
「冷たいねぇ~カイトちゃん。用がないって決まったことじゃないでしょ。」
「あったことほぼないじゃないですか。」
「まあまあそう言わずにさ、年上の話に付き合ってよ。」
すでに部屋に入り込んでいる男は、勝手知ったる様子でソファに腰を下ろしていた。足を組み、だらしなく背もたれに寄りかかっている。
「ちゃんと仕事してるか見に来たんだけど。」
「おかげ様で見ての通りです。今日中に終わりそうにないので、戻ってください。」
「相変わらずつれないなぁ。」
そう言いながら、視線は明らかに仕事ではないところを追っている。
(また始まった……。)
主人公はため息を飲み込み、席を立った。
「クザンさん。ここは執務室です。また元帥に——」
ソファの前まで来た、その瞬間。
「っと。」
足を取られた。
ほんのわずかな段差。完全に不意。いや、これはいつものトラブル。
次の瞬間、視界が傾き――
「おっと。」
柔らかい衝撃。
太もも。
しっかりした感触。
――乗っている。
「……っ!?」
「あらら。」
クザンの低い声が、すぐ近くで響いた。
「これは役得だねぇ。」
「す、すみません!! 今すぐ——」
カイトは慌てて体を起こそうとするが、腰に回された腕がそれを阻む。
強くはない。
だが、離す気もない。
「そんなに慌てなくてもいいじゃない。」
「よくありません! 離してください!」
「ん〜……もうちょっと。」
完全に楽しんでいる声色だった。
「いい加減に…!」
何とか距離を取ろうともがく。
しかし体格差と、位置が悪い。
「焦ってる姿も可愛いんだけどねぇ。」
「可愛くありません!! またそうやってからかって…!」
そのとき。
「失礼します!」
勢いよく扉が開いた。
部下の姿が視界に入った瞬間、
カイトの思考は真っ白になった。
「——っ!?」
ソファに座るクザン。
その太ももの上に乗っているカイト。
完璧な誤解の構図。
「……」
部下は一瞬、時が止まったように固まり、
次の瞬間、青ざめた顔で敬礼をした。
「し、失礼しました!!」
颯爽と、そしてものすごい勢いで扉が閉まる。
「ま、待って! 違——」
言い終わる前に、もういない。
カイトはその場で完全に固まった。
「……」
クザンはというと。
「あらら。」
まったく気にした様子もなく、楽しそうに笑っている。
「いやぁ、いいもん見せちゃったかな」
「よくありません!!」
ようやく腕を振りほどき、距離を取る。
「誤解されました……完全に……。」
カイトはその場に膝をつきそうな勢いで肩を落とした。
「説明……説明しないと……。」
しかし、説明する相手はもういない。
クザンは立ち上がり、ひらひらと手を振る。
「じゃ、邪魔したね。」
「ほんとに…邪魔もいいところです……。」
「また来るよ。」
「次着たらサカズキさんかセンゴク元帥呼びますから!!!」
軽い足取りで去っていく背中を見送りながら、カイトは深くため息をついた。
――どうしてこうなるのか。
残された部屋には、
気まずさと、
誤解と、
少しだけ乱れた空気だけが残っていた。
書類仕事も一段落し、主人公は机に向かったままペンを走らせている。
――ノックもなく、扉が開いた。
「やぁ〜。」
気の抜けた声。
頭を上げなくても、誰だか分かる。
「……クザンさん、またですか。用件がないなら——」
「冷たいねぇ~カイトちゃん。用がないって決まったことじゃないでしょ。」
「あったことほぼないじゃないですか。」
「まあまあそう言わずにさ、年上の話に付き合ってよ。」
すでに部屋に入り込んでいる男は、勝手知ったる様子でソファに腰を下ろしていた。足を組み、だらしなく背もたれに寄りかかっている。
「ちゃんと仕事してるか見に来たんだけど。」
「おかげ様で見ての通りです。今日中に終わりそうにないので、戻ってください。」
「相変わらずつれないなぁ。」
そう言いながら、視線は明らかに仕事ではないところを追っている。
(また始まった……。)
主人公はため息を飲み込み、席を立った。
「クザンさん。ここは執務室です。また元帥に——」
ソファの前まで来た、その瞬間。
「っと。」
足を取られた。
ほんのわずかな段差。完全に不意。いや、これはいつものトラブル。
次の瞬間、視界が傾き――
「おっと。」
柔らかい衝撃。
太もも。
しっかりした感触。
――乗っている。
「……っ!?」
「あらら。」
クザンの低い声が、すぐ近くで響いた。
「これは役得だねぇ。」
「す、すみません!! 今すぐ——」
カイトは慌てて体を起こそうとするが、腰に回された腕がそれを阻む。
強くはない。
だが、離す気もない。
「そんなに慌てなくてもいいじゃない。」
「よくありません! 離してください!」
「ん〜……もうちょっと。」
完全に楽しんでいる声色だった。
「いい加減に…!」
何とか距離を取ろうともがく。
しかし体格差と、位置が悪い。
「焦ってる姿も可愛いんだけどねぇ。」
「可愛くありません!! またそうやってからかって…!」
そのとき。
「失礼します!」
勢いよく扉が開いた。
部下の姿が視界に入った瞬間、
カイトの思考は真っ白になった。
「——っ!?」
ソファに座るクザン。
その太ももの上に乗っているカイト。
完璧な誤解の構図。
「……」
部下は一瞬、時が止まったように固まり、
次の瞬間、青ざめた顔で敬礼をした。
「し、失礼しました!!」
颯爽と、そしてものすごい勢いで扉が閉まる。
「ま、待って! 違——」
言い終わる前に、もういない。
カイトはその場で完全に固まった。
「……」
クザンはというと。
「あらら。」
まったく気にした様子もなく、楽しそうに笑っている。
「いやぁ、いいもん見せちゃったかな」
「よくありません!!」
ようやく腕を振りほどき、距離を取る。
「誤解されました……完全に……。」
カイトはその場に膝をつきそうな勢いで肩を落とした。
「説明……説明しないと……。」
しかし、説明する相手はもういない。
クザンは立ち上がり、ひらひらと手を振る。
「じゃ、邪魔したね。」
「ほんとに…邪魔もいいところです……。」
「また来るよ。」
「次着たらサカズキさんかセンゴク元帥呼びますから!!!」
軽い足取りで去っていく背中を見送りながら、カイトは深くため息をついた。
――どうしてこうなるのか。
残された部屋には、
気まずさと、
誤解と、
少しだけ乱れた空気だけが残っていた。
