不運はつきもの。
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海軍本部の廊下は、相変わらず慌ただしい。
カイトは数枚の書類を見比べながら、次の部署へ向かって歩いていた。いつもの業務、いつもの移動。特別な意識はない。
角を曲がった、その瞬間。
「あっ——!?」
前から来た海兵が、見事なほど派手につまずいた。
カイトは条件反射で手を伸ばす。
——助ける、はずだった。
がさっ、と乾いた音がして、腕の中の書類が宙を舞う。白い紙が一斉に散らばり、同時に衝撃。
「……っ!」
背中に床の冷たさ。息が詰まる。
そして、上。
距離が、近い。
いや、近すぎる。
「っ!? す、すみませんイマイ少将!!」
海兵は完全にパニック状態で、慌てて身を起こそうとしては逆にバランスを崩し、変なところに手をついてしまう。
「わっ、だ、大丈夫だから、落ち着——」
言い終わる前に、胸元を押される形になり、カイトの喉が小さく鳴った。
「っ……」
「ひ、ひゃっ!? ち、違っ、その、わざとじゃ……!」
顔を真っ赤にした海兵が、今にも泣きそうな勢いで言葉を詰まらせる。
「本当に大丈夫だ……おい、怪我は?」
カイトは無理に状況を切り上げようとしながら、散らばった書類に視線を落とす。
「ああ……書類……。」
「す、すみません! 拾います!」
何がそのなのか分からないまま、海兵は書類を拾おうとしてさらに慌て、今度はカイトの膝に額をぶつけかける。
「わ、おいっ……!」
「す、すみません!! 本当に!!」
結局、二人して無言で書類を拾うことになった。
海兵の動きは終始ぎこちなく、視線もまったく合わない。
「……もう行っていい。特に気にしてない。」
「は、はいっ! あの、その……失礼します!!」
敬礼もどこかおかしな角度のまま、海兵は逃げるように去っていった。
主人公は残った最後の一枚を拾い上げ、軽く息をつく。
(また、か……)
内心でだけそう呟き、覇気を意識的に張り直す。
完全に防げた感触は、ない。
書類を抱え直し、再び廊下を歩き出したところで、後ろから声がかかる。
「イマイ少将、落とし物です。」
「あぁ、ありがとう。」
受け取ったそれを挟み直し、何事もなかったかのように足を進める。
背後に残った視線の熱も、
やけに赤い耳も、
本人は気づかないまま。
——今日も、通常運転だったな。
再度気を引き締めて廊下を進むカイトだった。
カイトは数枚の書類を見比べながら、次の部署へ向かって歩いていた。いつもの業務、いつもの移動。特別な意識はない。
角を曲がった、その瞬間。
「あっ——!?」
前から来た海兵が、見事なほど派手につまずいた。
カイトは条件反射で手を伸ばす。
——助ける、はずだった。
がさっ、と乾いた音がして、腕の中の書類が宙を舞う。白い紙が一斉に散らばり、同時に衝撃。
「……っ!」
背中に床の冷たさ。息が詰まる。
そして、上。
距離が、近い。
いや、近すぎる。
「っ!? す、すみませんイマイ少将!!」
海兵は完全にパニック状態で、慌てて身を起こそうとしては逆にバランスを崩し、変なところに手をついてしまう。
「わっ、だ、大丈夫だから、落ち着——」
言い終わる前に、胸元を押される形になり、カイトの喉が小さく鳴った。
「っ……」
「ひ、ひゃっ!? ち、違っ、その、わざとじゃ……!」
顔を真っ赤にした海兵が、今にも泣きそうな勢いで言葉を詰まらせる。
「本当に大丈夫だ……おい、怪我は?」
カイトは無理に状況を切り上げようとしながら、散らばった書類に視線を落とす。
「ああ……書類……。」
「す、すみません! 拾います!」
何がそのなのか分からないまま、海兵は書類を拾おうとしてさらに慌て、今度はカイトの膝に額をぶつけかける。
「わ、おいっ……!」
「す、すみません!! 本当に!!」
結局、二人して無言で書類を拾うことになった。
海兵の動きは終始ぎこちなく、視線もまったく合わない。
「……もう行っていい。特に気にしてない。」
「は、はいっ! あの、その……失礼します!!」
敬礼もどこかおかしな角度のまま、海兵は逃げるように去っていった。
主人公は残った最後の一枚を拾い上げ、軽く息をつく。
(また、か……)
内心でだけそう呟き、覇気を意識的に張り直す。
完全に防げた感触は、ない。
書類を抱え直し、再び廊下を歩き出したところで、後ろから声がかかる。
「イマイ少将、落とし物です。」
「あぁ、ありがとう。」
受け取ったそれを挟み直し、何事もなかったかのように足を進める。
背後に残った視線の熱も、
やけに赤い耳も、
本人は気づかないまま。
——今日も、通常運転だったな。
再度気を引き締めて廊下を進むカイトだった。
