不運はつきもの。
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「……で、どうするつもり?」
ヒナは腕を組み、スモーカーを見た。
煙を吐きながら、スモーカーは答える。
「怪我が治ったらだ。酒飲ませて、洗いざらい吐かせる。」
迷いのない声。
「膿は、溜めたままにしねえ。あいつは、そういうのが一番駄目だ」
ヒナは一瞬だけ目を伏せ、それから小さく頷いた。
「……それは、いい考えね。」
だが、すぐに視線を鋭くする。
「ただし、“いつもみたいに”ならないこと。」
スモーカーが眉を寄せる。
「狼になるな、って言ってるのよ。今は、欲情じゃなくて回復の時期」
一拍。
「……分かってる。」
「知ってるんだからね。あんなことするの、あなたしかいないんだから…。」
ヒナは分かっている。
だからこそ、釘を刺した。
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廊下を歩く、見慣れた後ろ姿。
「おー、カイトちゃん。もう歩けるようになったんだ? もう少し休んでた方がいいんじゃない?」
いつもの調子で近づき、いつもの癖で、カイトの尻へ手を伸ばす。
――その瞬間。
がしっ。
掴まれた。
「……っ!」
カイトの反応は、異常なほど早かった。
強く、逃がさない力。
互いに、一瞬固まる。
「……あ。」
カイトが、はっと我に返る。
「す、すみませんクザンさん! 無意識で…。」
すぐに手を離し、深く頭を下げる。
「このあと会議なので、失礼致します。」
敬礼。
そして、足早に去っていく背中。
クザンは、その場に残った。
顎に手をやり、目を細める。
「……こりゃ、重症だね。」
報告書で、内容は知っていた。
だが、文字と現実は違う。
――触れられることへの、過剰な反応。
次の瞬間。
廊下の床が、ぎし、と音を立てて凍る。
「ひっ……!」
近くを歩いていた海兵が、息を呑んだ。
クザンは何も言わない。
ただ、冷えた空気の中で、静かに怒っていた。
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「ど、どう声をかければ……。」
報告書を読んだ手が、震える。
頭では理解している。
だが、心が追いつかない。
「……泣いてたらどうしよう…いや、泣いてないかもしれない。あいつは心が強い。いや、でも……。」
完全にパニックだった。
周囲をきょろきょろと見回し、
誰もいないのを確認してから、でんでん虫を取り出す。
「……おい、俺だ。今大丈夫か?」
『……昼に掛けてくるなんて珍しいじゃねぇか。』
「えっと、その……。部下が、その…。」
言葉が詰まる。
『……もしかして部下って、いつものアイツのことか? たまには他のことで連絡してこいよ…。』
電話口の冷静な声に、ロシナンテは少しだけ救われた。
「……どう接したらいいか、分からないんだ」
「…そろそろ恋愛トークなんてやめたいんだが…。」
どちらも本音だった。
ローはため息を吐きながらも、ロシナンテの相手をするのであった。
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血の匂いが、濃い。
倒れている人間は、すでに動かない。
「……チッ。」
この日、ルッチは舌打ちが止まらなかった。
必要以上。
明らかに、やりすぎだ。
他のCP9は距離を取っている。
ハットリでさえ、近寄らない。
――殺気が、異常だった。
「……自分以外に。触らせているつもりはなかったが。」
低い声。
転がる死体を、さらに蹴り飛ばす。
「……次に会った時は。」
何をするかは、考えていない。
だが、
何もしないつもりはなかった。
ルッチの口元が、歪む。
