不運はつきもの。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数か月ぶりに本部へ戻った。
報告を終え、廊下を歩いていると――
見慣れた背中が視界に入る。
「……おい。」
声をかけると、カイトが振り返った。
――瞬間、違和感。
顔色が悪いわけじゃない。
怪我もない。
覇気も、乱れてはいない。
だが。
目が、少しだけ暗い。
「…久しぶりだな。」
「ああ。帰ってたのか」
いつも通りの声。
いつも通りの距離感。
……なのに、どこか硬い。
(……。)
スモーカーは内心で舌打ちした。
こういう時のこいつは、
何を聞いても言わない。
問い詰めても無駄。
優しくしても無駄。
自分で飲み込んで、黙って終わらせる。
――知っている。
だから、その場では何も言わなかった。
「相変わらず忙しそうだな。」
「まあな。少将ってのも楽じゃない。」
軽口。多分何も考えずに返事しているのがわかる。
返ってくる言葉は、少し遅れる。
(……やっぱり、何かあったな。)
別れたあと、スモーカーはさりげなく方向を変え、
カイトの部下を捕まえた。
「おい。あいつ、何かあったか。」
「え? いえ……。」
一瞬戸惑ったあと、部下は首を振る。
「任務自体は問題なかったです。
トラブルも特に……ただ……。」
「ただ?」
「……合流した時、いつもより表情が硬かった、くらいですかね。」
それだけ。
それだけで、十分だった。
(任務じゃねぇな。)
スモーカーは煙草に火をつける。
煙を吐きながら、思う。
(……別の何か、だな。)
だが、だからといって踏み込まない。
言わないと決めた相手に、
無理やり踏み込むのは逆効果だ。
だから――
次に会った時、スモーカーはいつも通りだった。
「おい、顔色悪いぞ。飯ちゃんと食ってんのか。」
「失礼だな。ちゃんと食ってる。」
「どうだか。
お前、油断するとすぐ体に出るだろ。」
「……嫌味か?」
「事実だ。」
肩を小突く。
わざと雑に。
カイトは一瞬きょとんとしたあと、
小さく息を吐いた。
「……相変わらずだな、お前は。」
その声が、少しだけ柔らかくなった。
(よし。)
それでいい。
スモーカーは、それ以上踏み込まない。
煙草をくわえ、いつもの調子で言う。
「ま、元気そうで何よりだ。」
「……ああ。」
カイトの表情が、ほんのわずかに戻る。
完全じゃない。
だが、さっきよりはいい。
(帰る場所くらいには、なれてるか)
スモーカーはそう思いながら、
何も言わずに並んで歩いた。
問い詰めることも、慰めることもなく。
ただ、いつも通りに。
報告を終え、廊下を歩いていると――
見慣れた背中が視界に入る。
「……おい。」
声をかけると、カイトが振り返った。
――瞬間、違和感。
顔色が悪いわけじゃない。
怪我もない。
覇気も、乱れてはいない。
だが。
目が、少しだけ暗い。
「…久しぶりだな。」
「ああ。帰ってたのか」
いつも通りの声。
いつも通りの距離感。
……なのに、どこか硬い。
(……。)
スモーカーは内心で舌打ちした。
こういう時のこいつは、
何を聞いても言わない。
問い詰めても無駄。
優しくしても無駄。
自分で飲み込んで、黙って終わらせる。
――知っている。
だから、その場では何も言わなかった。
「相変わらず忙しそうだな。」
「まあな。少将ってのも楽じゃない。」
軽口。多分何も考えずに返事しているのがわかる。
返ってくる言葉は、少し遅れる。
(……やっぱり、何かあったな。)
別れたあと、スモーカーはさりげなく方向を変え、
カイトの部下を捕まえた。
「おい。あいつ、何かあったか。」
「え? いえ……。」
一瞬戸惑ったあと、部下は首を振る。
「任務自体は問題なかったです。
トラブルも特に……ただ……。」
「ただ?」
「……合流した時、いつもより表情が硬かった、くらいですかね。」
それだけ。
それだけで、十分だった。
(任務じゃねぇな。)
スモーカーは煙草に火をつける。
煙を吐きながら、思う。
(……別の何か、だな。)
だが、だからといって踏み込まない。
言わないと決めた相手に、
無理やり踏み込むのは逆効果だ。
だから――
次に会った時、スモーカーはいつも通りだった。
「おい、顔色悪いぞ。飯ちゃんと食ってんのか。」
「失礼だな。ちゃんと食ってる。」
「どうだか。
お前、油断するとすぐ体に出るだろ。」
「……嫌味か?」
「事実だ。」
肩を小突く。
わざと雑に。
カイトは一瞬きょとんとしたあと、
小さく息を吐いた。
「……相変わらずだな、お前は。」
その声が、少しだけ柔らかくなった。
(よし。)
それでいい。
スモーカーは、それ以上踏み込まない。
煙草をくわえ、いつもの調子で言う。
「ま、元気そうで何よりだ。」
「……ああ。」
カイトの表情が、ほんのわずかに戻る。
完全じゃない。
だが、さっきよりはいい。
(帰る場所くらいには、なれてるか)
スモーカーはそう思いながら、
何も言わずに並んで歩いた。
問い詰めることも、慰めることもなく。
ただ、いつも通りに。
