薬にもならない
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鬼との戦闘で負傷したナマエ達は蝶屋敷に連れてこられた。
本来ここは、柱に与えられる屋敷なのだが隊士の治療のために開放しているらしい。
屋敷の主である花柱の胡蝶カナエは、しのぶの実姉でもあるらしく、顔立ちはしのぶと似ているが顔つきはあまり似ていない。
しのぶとは対照的に花が咲いたような笑顔が印象的な人だった。
○
ナマエとしのぶの怪我の具合は順調に良くなっていった。
ベッド上での療養により身体がなまってしまっていたが、機能回復訓練が始まったおかげで任務に復帰できるほどではないにせよ、だいぶ動けるようになった。
始まったばかりの頃は酷い匂いの薬をしょっちゅう頭からかけられてくさい思いをしていたが、今はそれもない。
今日は任務復帰の準備としてしのぶと手合わせをしている。
ナマエはしのぶより筋力があるため力で押し負けることはないのだが、しのぶはひたすらにすばしっこい。
弾いたと思ったらすぐに向きを変えて攻撃を仕掛けてくる。
これがなかなかに手ごわくてやっかいだ。
○
「二人ともずいぶん動ける用になったのね、すごいじゃない」
ナマエがしのぶに一本取られたところで道場の入口の方から声をかけられた。声の主はカナエだった。任務から帰ってきていたみたいだ。
「お帰りなさい!姉さん」と、ナマエのお帰りなさいをかき消すようにしてしのぶはカナエのもとへかけて行った。
蝶屋敷に来てから何回かこの姉妹のやり取りを目にしている。しのぶはいつもカナエにぷりぷり怒っているが、カナエが帰ってくると嬉しそうにしている。なんだかんだで慕っているみたいだ。
そんなことを考えていたら
「…そうだ!ナマエちゃんも一緒にやりましょう!それがいいわ!」
突然話題がこちらにとんできた。
「ちょっと姉さん!?」
「いいじゃない。きっとお友達と二人でやった方が楽しいわ」
別に友達って訳じゃ!と食い下がるしのぶと、話しについていけてないナマエを置いてきぼりにしてカナエはどんどん話を進めていった。
―04.蝶々の巣―
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