薬にもならない
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夜が更け、人々が寝静まったころ、ナマエとしのぶは鬼の気配を察知した。
2人はすぐさま気配のする方へと向かった。
○
「ぐはっ…!!」
鬼に弾かれた衝撃で身体に鈍い音が響く。どこかの骨が折れたのだろう。
しのぶも鬼からの攻撃でかなり体力を消耗している。
2人は既にボロボロの状態だった。
本来、鬼を発見した時点で他の隊士と連絡を取るのが賢明なやり方なのだが、ナマエとしのぶが鬼を発見したとき、人が襲われかけていた。
人命を優先させるため、2人はすぐに鬼に攻撃を仕掛けたのだ。
ナマエが技を繰り出しても鬼に攻撃を防がれてしまい、一向に首が斬れないでいる。
しのぶも何度か鬼に斬りかかったが、そもそも彼女のあの刀では、大きなダメージは与えられない。
――自分が、首を斬るしかない。
しかし、あとそう何回も技を繰り出す力が#ナマエに#は残っていなかった。
もうだめかもしれない。そんな嫌な考えが頭をよぎったそのとき、
「…じゃあ、これならどうです!!」
しのぶがもう一度鬼へ斬りかかった。
が、やはり彼女の攻撃は鬼に効いていないようだった。
鬼も最後の悪あがきだと思ったのか、勝利を確信し笑みを浮かべた瞬間――――
鬼の様子がおかしい。
今までナマエたちの攻撃に対して余裕を見せていたにも関わらず、急に呼吸が乱れはじめ、青筋をたてるほどに苦しみだしたのだ。
ナマエはこの機を逃すまいと動いた。
○
鬼だったものはハラハラと塵のように崩れていき、ついには跡形もなくなった。
「いま、明らかに鬼の様子がおかしかった…。あなた、一体何をしたの」
ナマエが身を引きずりながら向きなおると、しのぶはばつが悪そうに口を開いた。
「私は、毒を使って鬼を殺すんです。……細かな調合は調整段階ですが…」
―03.彼女のやり方―