薬にもならない
名前変更
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彼女と最初に出会ったのは、季節外れの藤の花があふれるばかりに咲いている山だった。
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育手のもとでの修行を終えたナマエは、鬼殺隊の最終選別を受けるべく藤襲山にやってきていた。
そこには、鬼殺隊に入隊するという志を同じくした沢山の剣士たちが集まっていた。
皆、厳しい修行に耐え抜いてきただけあって見るからに力強そうで、険しい顔つきの剣士ばかりだった。
そのなかで一人、彼女はたたずんでいた。
はじめは、自分の他にも他にも女子がいたのかと目に止めたのだが、腰に差した刀が見れば見るほど似合わない。同性のナマエから見ても彼女は小柄で、鬼の首なんてとても斬れそうにないほど華奢だった。
こんな娘が生き残れるのだろうか、自分のことを差し置いて、名前も知らない彼女のことを思わず気にかけていた。
○
鬼を斬り、時には隠れを繰り返し、山に入って7回目の日の出を迎えた。
最終的に最初に集まった広場に戻ってきたのは、ナマエを含めた3人だけだった。
驚くことに、小柄なあの娘もいた。
―01.藤襲山にて―
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