空の色、海の色
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私立海常高校は、運動部に力を入れていることで知られている。ほとんどの運動部が全国大会の出場経験があるというスポーツの強豪校だ。
ただ、そんな学校だけあって、部活を目的として入学するものも多く、皆自らが選手として活躍することを望んでいるため、どの部活もマネージャー不足なのだった。バスケ部も例に漏れずマネージャー不足問題を抱えていた。
バスケ部のマネージャーは現在ナマエ一人だ。去年までは先輩のマネージャーがいて二人で仕事をこなしていたのだが、その先輩もこの春に卒業してしまった。
「今年は黄瀬君が入るから、マネージャー志望の娘がたくさん集まると思ってたんですけどね…」
「キセキの世代」だけではなく、人気モデルの一面を持つ黄瀬の入部により、今年は絶対にマネージャーが豊富な年になるかと思っていた。
かつての先輩マネージャーが引退してから今まで、バスケ部の仕事は決して一人でこなせない訳ではなかった。しかし、それは仕事量が自分の学年と1つ上の先輩の二学年分だったからであって、1年生が入部した今、はたして三学年分を一人でこなせるのか、
先ほどまで気持ちのいい気分でいたのに、さっそく心配要素ができてしまった。
やはりマネージャーは数人いた方が仕事をスムーズに行うことができるし、確実に終わらせることができる。今回のようにナマエが体調を崩したり、不在のときにだって、安心して仕事を任せられる人がいると、選手たちも心置きなく練習に集中できる。二人、いやせめて一人は入って欲しかったなとナマエは肩を落とした。
「俺も…たくさんの新人マネちゃんとの出会いが欲しかったよ…」
森山が残念そうにしてたのはどうやらナマエとは別の事情だったらしい。悔しそうに拳を握る彼に、笠松は呆れた顔をしていた。ナマエも思わず苦笑いをしてしまった。
―桜並木にて [ 2 ] ―
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