失敗作【2025 バレンタイン】
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「ねぇ、シカマル!
今日はなんの日?」
「ん……あぁ?任務がない日だな」
「は?」
「なんだよ」
「え?あぁーそっか
いっつもご縁無いから
思い出せないんだよね」
そう私は笑って言ってやる。
いつもどおり空を眺めて、
興味ねぇーとでも言いたそうな横顔。
「んーーーー」
なにかを考える様なそぶり。
「まぁ…」
「誰かさんの失敗作を食べる日」
「…!」
「図星かよっ」
そうフッと笑うから、
急激に顔が赤くなってしまって。
「な、なんだーわかってんじゃん!!」
「………ん?ねぇの?」
「…………」
「ねぇのか」
「……ごめん」
失敗作は、と言うつもりだったが
それを遮ってシカマルは言った。
「ま、好きなやつに渡せばいいだろ。
ずっと俺じゃなくてよ」
え?なにそれ。
「なんというか…ほら
俺、甘いのは苦手だし」
そう言って重たい腰を上げ、
立ち上がるシカマル。
なんだ、じゃぁ早く言えばいいじゃん。
べつにいらないって。
しかたねーから食ってやるって
言ったの誰?
そのまま歩いて帰ろうとしてるであろう
シカマルの背中を見て
「誰が、好きな人に渡せばいいだ!!
そもそもチョコは好きな人にあげるもんでしょーが!!」
そう言って持ってたチョコの箱を
投げつけた。
「おっ、ちょっ」
「そんなシカマルには今年はないよ。
失敗作は、ね」
その言葉を聞いてか、
私の投げつけて地面に落ちた箱と
ちょっと箱から落ちたチョコを見る。
ぜーはーと肩で息をする私は、
もうやけになって、走り出そうとした。
「名無し」
そう、あっけなく腕を引かれた。
「何」
「いや、すまねぇ。
俺全然気付けなくて」
「いいよ、もう」
「怒んなって」
「怒ってない!!!」
はぁ、あたしもあたしだ。
こんなの子供じゃないか。
さっき引かれた腕は
そのまま掴まれてる。
「シカマル、はなして…」
そのまま腕を引かれて
シカマルの腕の中に収まった。
「俺、本当は期待してたんだよ。
今年も失敗作食べれっかなって」
「え?」
「だって失敗作だったら
他のやつにあげてねぇってことだし
正直無いって言われた時は
もうここまでっつーか、もう繋いでおけねぇかなって思っちまった」
「………」
「だから、本当は期待してた。
欲しかった名無しからのチョコが」
え、そんなことある?
あんなにアプローチしても、冷静で
なんでも面倒な人が?
「おい、今なんかしょうもねぇ
悪口かんがえたろ」
「へ?ち、違いマス!!」
「フッ…まぁバレバレだけどな」
「そんなこと言って」
そう離れていく身体。
シカマルは私の投げたチョコの箱を拾い
あーあ…半分ダメになっちまった。
とか言って、残ったチョコを食べる。
「思ったよりも甘くないな。うまい」
ということだから、そのー…」
どもってるシカマルも珍しいな。
「き、キスでもしとくか?」
「は???」
前言撤回。
何言ってたこのエロシカは。
まだこっちは告白も
されてないんですけど?
とか考えている内に、
その気になったシカマルが
近づいてくる。
「なぁ…」
「ふ」
「ふ?」
「風遁・神風!!!!」
手から竜巻が起こる。
「ちょっとおまっってか
いつ印組んだ」
「気づいたら組んでたーーー!」
「●✖️▲⬜︎♨︎ーーーー」
なんか吹っ飛んでったシカマルが
叫んでた気がしたけど
ま、いっか。
「あーー!スッキリした!
ま、またちゃんとした告白は待ってようかな?」
そうやってシカマルを置いて帰った。
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「おい、この木に引っかかってる俺を
どうにかしてくれ」
「ぶっ、アンタほんっとに馬鹿じゃないの?」
「よく、そんなに綺麗に引っかかったね〜」
「ま、いいんじゃないか?
頭冷やすのにはもってこいの場所だろ」
そう、いの、チョウジ、アスマは
しばらくシカマルを助けないでぶら下げといた。
失敗作 END
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