恋と友情の境界線
夢小説の世界へ
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「名無し〜!!!いたっ!!」
「名無し〜購買いっしょいく??!!」
「名無し〜!!!今日の試合応援来てっ!!」
まぁ、まぁこの間のアレがあってから
というもの
先輩の…なんというか
圧?を感じる程のアプローチ?
をされている。
「ねぇ…」
ヒソヒソ教室で私と3年である
木兎先輩のことを噂してる。きっと。
そりぁ憧れの先輩と
何か、があれば嬉しいものだと思うんだけど
今は、なんかはっきりしなくて…。
「自分って…ずるいな…」
「何がずるいの?」
そう覗き込む顔に思わず
びっくり。
赤葦だ。
1人考え事をして
教室の外のロッカーにいた私に話しかけてきた。
「え、と口に出てた?」
「うん。ずるいって」
「…いや、なんでもない。
独り言だよ」
「………ねぇ」
そう赤葦は少し間を開けて
「この間言ったこと
覚えてる?」
「…この間…」
そう次の教科の教科書と資料集を
ガサゴソと探す。
最近いろんなことがありすぎて
なんのこと…
…ハッ!
アレか?
思い出したら、面白いんだか
ちょっと照れ臭いんだかで
よくわからない感情になってる。
「デート」
「?!」
耳元でヒソヒソ言われる。
思わず体がビクッとしてしまった。
は、恥ずかしい…。
急に耳元で話さないで!
「あの真顔で言ってたやつ?
今ちょうど思い出した」
そう今度はふっと笑いが込み上げてきた。
「表情が忙しいね、名無しは。かっ」
「か?」
赤葦と丁度目が合う。
「…かわいい」
キーンコーンカーンコーン
「じゃぁ、デートどこいきたいか
考えといてね」
そう笑うと、後ろ姿で
ヒラヒラと手を振り
自分の教室に歩いて行った。
教室に戻ろうと思ったのに、
戻れないと思ったのは
きっと自分の顔が
赤くなってる自信があったから。
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友達「今日も午後の授業やばかった」
「ね、ノートほぼ真っ白じゃん!!」
「やば〜〜」
そう言いながら
帰る支度をしていると
バーーーーん!!!!
勢いよく扉が開いた。
いや予想しなくもなかった
この展開。
「名無しーーーー!!!!!
今日も練習見にこねぇ????な!な!!」
「えーーと今日はちょっと」
今日分の結構宿題出たんだよね…。
「…そっか…」
あぁ…これは赤葦含め
バレー部に迷惑かけるやつじゃない?
はぁ…。
「いきます、でも宿題あるので
最初の方でもいいですか?」
「…うおおおおおおおおしゃーーーーーーー!!!!!!!!!」
「木兎さん、うるさいですよ」
あ、赤葦も後ろにいた。
「名無しが来てくれるなら
俺も頑張れるよ」
そう笑った赤葦に
周りの女子どもがときめいてた。笑
そう言って先輩の腕を引っ張られつつ
体育館へ向かった。
「うお!!名無しの手ちっさ!!」
「いや、先輩が大きいのでは」
確かに全然違う…
なんというか漢って感じ…
「そうですね。俺と比べても小さい。
可愛い」
「……」
「あかーし?!」
「なんですか?」
「やっなんか、っていうか…」
先輩に握られている手とは
反対側の手を合わせてそう言った。
聞き間違いじゃなきゃ可愛いって。
「……」
私は赤葦の不意打ちに弱いのか
絶対顔が赤くなっていると思う。
下を向いてなんとか
やり過ごそう。
「名無しーー?」
そう木兎先輩が言うけど、
向けない。
それを最後に
しばらく沈黙が続く。
今日やっぱり帰ろっか「なぁ、あかーし」
「…はい?」
いつもの調子じゃないトーンで
木兎先輩が喋る。
「名無しのこと好きなの?」
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