バレー馬鹿
夢小説の世界へ
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ある土曜日の午前中、
私は男子バレー部の練習試合に来ていた。
ほとんど応援観戦だけど。
元々現主将の大地くんと中学の頃から知り合いなのと
応援行ったりとかしてたら完全に顔覚えられちゃってね…。
いわゆる幼馴染ってやつ?
学年こそ私は2年、大地くん3年。
はははは…。
そんなこんなでほぼ人手不足の時の
マネやってます。
正式じゃないけどね、
大学受験のための塾も通ってるから。
「一本一本!!」
「こーーーい!!!」
こうやってプレーする大地くんを見てるのは
何回目だろう。
もう中学生の頃からだから
数えきれないくらいかも。
私は同じクラスになった彼の、
熱すぎるほどにバレー馬鹿な
そんな真っ直ぐな目がいつか少しでも
私を映してくれたなら…
なんて思いつつ
この人はどこまでもバレー一筋。
挨拶をして、練習試合終了。
「「「ありがとうございましたっぁぁぁ!!」」」」
そう、それこそ大地くん目的で来ていたものの
私はこの情熱を感じる瞬間瞬間が
好きになっていた。
私自身も勇気をもらえる。
「お疲れ様」
そう言って準備していたドリンクを
各選手に渡す。
大「ありがとう」
田&西「「あざっす!!」」
日「ありがとうございます!」
影「あざっす」
大「今日は名無しも
手伝ってくれて助かるよ」
そう言って汗を垂らしながら爽やかスマイル。
これを惚れない女がどこにいる。
「あ、ううん!
皆んなの頑張ってる姿見ると
私までも鼓舞されるんだよね」
私の情熱は並ではない。
そして…多分周囲にはバレている。
うん、もちろん鈍感大地くん以外。
だってほら2人で会話してると
視線感じるもん。
日「名無しさんってなんか…」
菅「バッ!!!当の本人気づいてないから
まだ内緒ね?ひーなーた」
日「はっはひっ!!!」
田&西「「内緒っすね!!!!!」」
菅「っこっこら!!!声が大きいよ!」
ほらほら。
あの内容はいつも私には
聞こえてるんだけど。
それはいいとしてだ。
もはや鈍感な大地くんの目の前で
言ってほしいくらい、な気持ちになってる。
でもあのバレー馬鹿が
そんな話に興味示すわけない。
とも思ってるから。
そうそれでずっときた。
だけど
私、この人の一生懸命な姿見てると
そんな焦りとか、虚しい気持ちとか
吹っ飛んじゃうくらい
バレーに魅せられてる
あなたが素敵すぎて。
ほんっと、最後まで、
大地くんの勇姿見守るつもりです。
日向くんの動き並のスピードで。
なんちて。
ガラララッ
体育館の扉を開ける音がする。
「あっ…」
そうだ、今日午前までの予定だった。
やばい。
「みなさん、もう練習終了して…」
「ここで3枚ブロック!!」
ダンっ!!!
ブロックアウト。
「くそっワンタッチ!」
と続いてる。
声を掛けるのを躊躇っていると
再度ドリンクを作っていた
潔子さんが戻ってきて
潔「今すぐ撤退!!!
片付けなさいーーーー!!」
まるでビクッという言葉が
見えてきそうなくらい
コート内にいる烏野の選手の動きが
一瞬で止まる。
ポーン、トントントン。
ボールが落ちるまで約0.何秒か。
すごいです。潔子様。
大「お前ら片付けろー!!」
私も急いでボール拾いをする。
大「すいません!今すぐ片付けます」
そう言って、次の使用部活のバスケ部に
謝る主将。なんか嫌な感じだ。
そこにすかさず、フォロー。
私が力になれることは
些細なことだけだから。
「本当にすみませんっ!」
そう飛び込んで平謝りすると、
なんとも大地くんが何回も謝るほど
の雰囲気ではなくなった…?
バスケ部「いや…俺らの方こそすいません」
「いえ、こちらこそです」
あれ、どうしてだろう。
さっきまで確かにもめそうな
嫌な雰囲気を感じたんだけど…。
勘違い…かな。
大「すまん。あいつらかなり怒ってたんだが…」
「うん、なんか嫌な感じはしたんだけど…私が行った時には拍子抜けしたような感じ…?」
大「…」
なんか考え込んでる時の顔だ
これは。
「大地クン?」
大「おっ、おうっ」
「大丈夫ですかー?」
そう顔を覗き込むと
あら珍しい。
なんだか、眉間に皺を寄せて
イライラしてる感じ。
大「ああ言うのは、
無理に出てこなくてもいいから」
「……」
余計なお世話だったかな。
「ごめんね」
大「いや、こっちこそ…」
そう言って片付けをしに
コートに戻っていった。
その大地を見て菅原が
にやついているのは
誰も見てない秘密の話。
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