眼中には無い僕。
夢小説の世界へ
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「ねぇねぇ、今日はカカシさん里に帰ってくるかなぁ」
「うーん、どうでしょうね。
今日の任務は長引くとは言ってたような」
「えー…せっかく待機室で会えるかと思ったのに」
「本当好きだよね。カカシ先輩のこと」
これは上忍待機室での会話。
私とヤマトでたまたま2人になって、
カカシさんの話をしていた。
「好きっていうか…」
「それだけカカシさんカカシさんって言っておいて
逆に好きじゃないの?」
「そりぁ、好きか嫌いかで言えば好き、だけど」
「なんだそりゃ」
とヤマトはやれやれという素振りをした。
ヤマトは昔から好意を抱いていた
名無しとの会話が、
他の誰かの内容でも嬉しかった。
そして、この関係が続くのであれば
下手に告白しないで現状維持が良いと
いつも心の中で言い聞かせている。
そんな、変わらない日常だ。
「そろそろ告白とかしたらどうなの?」
全く、ここまで付き合ってる僕の気持ちも知らないで。
さっさとあの人とくっついてくれたら
気持ちの踏ん切りもつくってもんだ。
「だから!好きとかじゃないって」
「…矛盾しすぎ」
「そんなことより、ヤマトは?」
「…ぼ、ぼく?!」
ニヤニヤと顔を緩めて顔を近づけてくる名無し。
この子、カカシ先輩見つめすぎて
言動もあの人そっくりになってきたのか。
カカシ2号かな。
「僕は、告白なんてしませんよ」
「おっ?それは、好きな人はいるってことかなー?」
こういう時だけ頭の回転がやけに速いんだから。
カカシ先輩みたいに。ヤダヤダ。
「ま、そういうこと」
「…き、きき」
明らかにさっきより険しい顔。
あんなににやけてたのに、何を突然。
「そんな顔しても教えないよ」
言えない、この感情。言いたくない、この想い。
数十秒の沈黙を破り
「…聞きたくない!」
驚いた。あれは、面白いことがあるから聞いちゃお〜
みたいなカカシ先輩ノリじゃなかったの?
「僕だって言うつもりないけど…」
なんだが言動がチグハグしている様に感じるな。
そこで待機室の扉が開く音がした。
「アレー?まだ居たの?」
「「カカシさん・先輩!!」」
「なになに。2人して夜の密会ってやつ?」
とマスクの下がにやついているのは言うまでもない。
「いや、ずっと名無しが
カカシ先輩を待ってたみたいで」
「?!なんでそんなこと言うの?」
「そんな今更恥ずかしがらなくても」
前からカカシさんどこいるかな〜とか
カカシさん帰ってこないかな〜
とか散々言ってたのに。
何恥ずかしがってるんだ。
「名無し、そんなに俺のこと待っててくれたの〜?」
「え?うーん、そんなとこですね!」
「全く、本当素直じゃないんだから」
「だって素直になれないからカカシさんに…」
カカシさんに…?
その言葉を言ってしまったと言わんばかりの表情で
相変わらず笑ってるカカシ先輩と目を合わせ、
考えこむような顔をしていた。
いけないな。僕も人を好きになる。
そうしたら物事を深く考えすぎる時だってある。
僕は目の前の景色に
2人の前から消え去ろうと思った。
だって、僕は名無しと一緒に居たいけど、
この2人を見てるのはさすがに辛いから。
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